7月24日(月)くもり

僕はペンギンです。


Dr.モンクに造られたペンギンです。


昨日はかずきくんとかずきくんのお父さんとお母さんと妹のゆめちゃんと動物園に行きました。


昨日はとっても大変でした。


動物園は○×町から少し遠いところにあり、車で行きました。だからたくさんの人間に囲まれてしまうのは大丈夫でした。お父さんがおうちでこもるのは良くないだろうと言って僕を連れて行ってくれました。


かずきくんのおうちでは動物園でしばらくみんなで一緒に動物を見て回ったら、残りの時間はそれぞれが好きな動物を見るために単体行動を取るというルールがあります。そして決まった時間になるとまたみんな一緒になります。


かずきくんはペンギン、お父さんはタヌキ、ゆめちゃんはハリネズミ、お母さんは秘密よと言って教えてもらえませんでした。


気になります。


僕はかずきくんと一緒にペンギンを見に行きました。


僕と同じ姿をしたペンギンがたくさんいました。


僕のミッションは地球の子供の偵察ですが、参考資料として前からペンギンが見たいと思っていました。


本当に僕とそっくりでした。人間ほどはっきりと見た目の違いはありませんが、みんな微妙に違っていました。


そして僕はすぐに僕とペンギンの違いに気づきました。


数羽のペンギンは水の中を泳いでいました。僕は水中に入れません。Dr.モンクに絶対に水の中に入ってはいけないと厳しく言われています。


もう一つは、鳴き声です。僕のように「ジョ〜ジョ」とは鳴いていませんでした。でも僕はかずきくんにつけてもらったジョージョという名前が気に入っているのであまり気になりませんでした。


かずきくんと僕が一緒にペンギンを見ていると、一羽のペンギンがこちらをずっと見ていることに気づきました。


しばらくするとそのペンギンがこちらにやってきました。


僕とそのペンギンはそれからしばらくお互いを見て、お互いに鳴き声を発し続けました。




胸のあたりがドキドキしました。

とても苦しかったです。




僕はペンギンです。


今日も地球で子供の偵察をしています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る