第53話‐2

俺は浅葱さんに謎の店長が、誰だか聞いてみた。


すると


「其れは・・・仕事終わりに話すわね・・・。」


と、うつ向きながら少し悲しそうな浅葱さんを見たら、何か悪い気に成った。


そして店を閉めると、フロアの真ん中のテーブル席に、皆が付いた時、浅葱さんが話し始めた。


「あれは去年の夏頃、内の店長が未だ人間だった頃、ある時イライラして猫を蹴って殺して仕舞ったそうで、その翌朝店長が猫に成って仕舞ったの。」


猫の呪?


「其からも何時もの様に、バイトの女の子達をセクハラしていたわ。以前なら普通に辞めて行くだけだったけど、今度は女の子達は怖がって次々と辞めて行ったわ。」


と浅葱さんが事情を話してくれた。


何時もって?前からセクハラしてたのか?其れに仕手も、猫に成っても遣るんかい!


「素早くそして猫だから小さく、目視し辛かったから、幽霊と勘違いしたのかも?」


と俺は言った。


実際、北条さんも勘違いしたし。


でも・・・・


迷惑な店長だな!


「でもどうしよう?そんなの私達じゃどうにか出来ないよ?」


と紗理奈も困惑していた。


「私が何とかするわ。」


と北条さんが言った。除霊とか出来るのか?


「ふん!私が何とかしようではないか!ガハハハハ!」


と女の子ガイバーンが豪語した、けど、口調が元に戻ってるんだけど!


「え!?ガイバ!?改刃さん何とか出来るの?」


と紗理奈が疑心暗鬼で女の子ガイバーンに話し掛けた。


「要はその猫とセクハラ店長を分離したら善いのだな!」


と自信満々の女の子ガイバーン!


「其じゃ先ずはその猫店長を探さして、捕まえないと行けないね。」


と北条さん


「でもどうやって?」


と浅葱さんが北条さんに話し掛けた。


すると北条さんがこっちを見てニヤリとした。


また嫌な予感しかしないんだけど!


そしてその日はそのまま皆家へ帰った。


翌日、バイトを始めてから三日目、何時もの様に北条さんと女の子ガイバーンに紗理奈と一緒に、メイド喫茶兼バーに出勤した。


そして奥の更衣室でメイド服に着替え、フロアに出ると北条さんが


「空渡!?シフォンさん?この服に着替えて貰えるかしら?」


と北条さんに折り畳まれた、服を渡された。


そして


「此れは猫店長を誘き寄せる為のアイテムよ。」


渡し際に小声で北条さんが説明したけれど・・・・


この服と何か関係が有るんだろうか?


取り合えず奥の更衣室で、着替える事にした。


「えーと、何で北条さんも一緒に来るのかな?」


「其れは貴女がちゃんと着替えるか見張に来たのよ。」


となんか嬉しそうな北条さん。


そんなに着替えがたい服なんかい!


俺は恐る恐る畳まれた服を、更衣室のテーブルに拡げた。


白いミニスカートのメイド服?

あと何で黒のうさ耳カチューシャ?


「うむ!これは某ソシャゲのキャラのコスだな!亜里査よ!」


と女の子ガイバーンが喜んだぞ!と言うか何時の間に現れたんだよ!


「そうよガイバーンさん!あの理性が蒸発してるキャラの剣の方よ!」


と喜んで応える北条さん!


また訳の解らない事で盛り上がっているぞ!


この人達は!


「チョイスが絶妙だな!亜里査よ!」


とまた喜ぶ女の子ガイバーン!


「でしょガイバーンさん?あのキャラは女装キャラだけど。空渡君の場合は身体は女の子だけど。」


と北条さん


「うむ!そうだな亜里査よ!あのキャラはアルチンだが勇太の場合はナイチンだな!ガハハハハ!」


と女の子ガイバーン。なんか下品だぞ!


「で、何で俺がこの服を着なきゃいけないんだよ~!」


と北条さんに文句を言うと


「猫店長があのソシャゲで遊んでいると、浅葱さんから聞いたから、あのキャラのコスプレで釣れると思うわ。だから空渡君にはこの服を着て、囮に成って貰うわ。」


と北条さんが説明したけれど


「何で俺なんだよ~!」


と北条さんに返した。


「あら?私達の様なか弱い女の子に囮をさせるの?」


と胸を張り、両腕を組み、どや顔でか弱さをアピールする北条さん。


全然か弱そうじゃないんだけど!


「其れに空渡君だけ未だネタコスを着てないのよね。」


とニコニコしながら話す北条さん。


「亜里査は兎も角、紗理奈には嫌な思いはさせたくはないばろう?勇太よ?」


と女の子ガイバーン


「サラッと私の事をお座なりにするのね。ガイバーンさん?」


と冷静に抗議する北条さん。


「気のせいだぞ?亜里査よ!ガハハハハ!」


と笑って誤魔化す女の子ガイバーン。


「その変態店長はあたしが倒そうじゃないか!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


と行きなりガラナに代わるとと、拳を握り締めた。まあ今この更衣室には第三者が居ないから良いけど。


そしてサイズが合わないから、バニースーツの時と一緒で、メイド服がパンパンだ!また胸がはみ出そうだぞ!


なんかガラナが殺気満々だぞ!


「どうどう!」


まあ仕方ない、俺はそのソシャゲのキャラの服に着替えて、囮役を買う事にした。




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