DEATH

NAO

第1話

……(生まれてから2時間の出来事である)

僕は自分の体調の悪さに気がついた……

ー2時間経過ー

気がついた僕は自分の体にたくさん何かがついていることに気がついた……

(何かがおかしい……体が思うように動かせない)

どうやら僕は何か大変な状況におかれているようだ。……気が遠のいていく

ー1時間経過ー

気がついた僕は何か変な透明な箱の中に入っていた……

(ここは……いったいどこなんだろう……)

僕は必死に辺りを見渡した。

周りは何か透明な板のようなものだ。

そして、心配そうな顔をして白い服の女性がこちらを見ている……

(僕は……いったいどんな状態なのだろう…)

(これから僕は……どうなってしまうのだろう)

ベッドで寝ている最愛のママは泣き崩れている。

もはや僕は指を動かすことすら困難な状態だ。(何だか体の力が抜けていく)

……僕は、これからどうしたらいいのか……

……僕は、いったい何の為に生まれて来たのだろうか?……

まだ……これからたくさんの幸せが待っているだろうに、それすら考えることさえ許されないのか……

やっと大好きなママやパパとたくさん幸せになれるのに。

苦しい思いをしてまで必死に痛みに耐え産んでくれた大好きなママを僕が幸せにしてあげるんだ!こんなとこで死ぬわけにはいかないんだ!

……神様がいるなら聞いて下さい……

……まだ僕を連れて行かないで……

(そんな思いも虚しく体の力は失われていく)

……

(次第に薄れていく意識の中、僕は大好きな両親の事を考えていた。)


(次に目が覚めた時、僕は大好きなママの腕の中にいた)


マ「私の可愛い可愛い大切な子。どうしてこんな残酷な……どうか何とかして下さい。私の命をあげますから…この子の命だけは奪わないで下さい。何年も治療してやっと生まれて来てくれた私たちの命よりも大切な子なんです。」


看「……」


(……僕は、いったいどんな状況におかれているのだろう、何が大変なことがあってママが泣いていることしか理解できない……)


パ「本当になんとかならないんでしょうか?あまりにも、この子が可哀想です。何だってしますから、どうか……どうか、この子を……」


医「……そう言われましても、当病院といたしましても…もうこれ以上は限界でして。手術に耐えられるような体ではないし、なにより体重が足りません。」


マ「……」

パ「……」


医「今は、いかに最後の時間を家族で幸せに過ごすか考えてみては、いかがでしょうか?まことに力になれず申し訳ありません。ご家族が最後の時間をゆっくりと過ごせるよう全力を尽くさせていただきます。」











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