対詩・大海原

水の中

たゆたうままに

生きようとしても

息が出来ずに

もがいてしまう


沈む中

誰も居ない

大海原では

声も涙も

泡になる


暗がりに

眼を向けても


何も無い


それでも沈めと

誰かが手を引く


一人きり

真っ暗闇では

眼が開いているかも

分からない


一筋の

光すら無く

底の底

それでもまだ

沈めと言うか


痛みだけ

残った私に

身体は無い

だから叫べず


たださまよう


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