袋小路 めいろ

僕の僕

1人の夜に考え事

日数増えると

僕も増えてる

1人づつ増えて

綿菓子みたいなものを

みんなで作ってる

形にしたものなんて無くて

失敗作ばっかりで

怠け者もでてきて

リーダー格の自分自身が

困り果てている




殺人が起こって

僕の中で僕が死んで

ニュースになったのも束の間で

明後日になれば

2人増えるなんてバカ話している

「そんな日くるの?」

叫んでる

自分を部屋から追い出したまま




増えなくなった僕が

限界なんて言葉をだそうとする

いつの間にって思いながら

焦っている

「勉強しなくちゃ」

叫んでる自分を

「そうだよね」って言いながら

リーダー格の自分自身が

予定を立てている




記者会見が行われて

「自堕落な生活を送ってすみません」

僕が僕に謝ってる

「続けることは難しいんです」

言う僕に

「わかってるならやれよ」

若い記者の僕が怒鳴った




円卓会議が開かれて

僕同士が話し合う

時間だけが過ぎてくから

ここで何かをやらなきゃ未来は無いと

延々と繰り返される会議に

1人 1人と嫌になって消えていく




復活の狼煙をあげろ

リーダー格の僕が言う

1人きりになった僕に価値なんてあるかな?

リーダー格の僕だけが

「大丈夫」って叫んでる

それしか言えないから




リーダー格の僕しか居なくなった

1人で切り盛りするお店みたいに

忙しなく動いてる

あれ?1人でも

まぁまぁできるんじゃないかな

そう発見した日に

僕は僕じゃない僕に変わった




我慢の日々は続く

「早とちりは良くないよ」

リーダー格の僕

「せっかちなのも良くないよ」

「遠足みたいに楽しみなよ」

親戚の世話焼き叔母さんみたいに

言ってくる

「前より成長はしたかな?」

昔は言えなかった

僕は僕に言えなかった




僕の中には僕は1人じゃないと

思ったけれど

まだそこまで頑張れなかった

「しょうがないなぁ」

リーダー格の僕が言う

「この甘えが命取りになるかもよ」って言ってくる

わかってるよ

君が消えてくれる日が本当に

胸を張れる日なんだ

全部の責任をおって

そのかわり

全部の楽しい事が僕のモノになる日

ワクワクできる今の自分が

楽しみな自分が

今は少し好きになってる





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