ユダの福音書考
二○○一年に発見されたパピルス写本『ユダの福音書』は、今までのキリスト教の『イスカリオテのユダ』の幻像を崩すものだった。
しかし、その『ユダの福音書』は書籍化されたにも関わらず、一般での論議は大して起こらないまま、記憶の、歴史の奥にへと消え去ってしまった。
そんな『ユダの福音書』であるが、気になる一節がある。
イエスはユダに言った。「(来なさい)、いまだかつて何びとも目にしたことのない(秘密)をお前に教えよう。それは果てしなく広がる永遠の地だ……そこには天使たちでさえ見たことが無く、あまりに広大で、目に見えず、いかなる心の思念によっても理解されず、いかなる名前でも呼ばれたことの無い御国がある」
この一節が意味は、イエスが『王国』という世界よりも素晴らしい『御国』という世界をユダに教えている、と言うことである。
イエスは教義ではうわべの『王国』を教え、ユダにはそれより深い『御国』を教える。その他の弟子との差は明らかであるが、論議すべきはその『御国』である。
さらにイエスは、自らの父とされる主=神でさえその『王国の主』止まりの存在であることをユダに告げ、『御国』へ旅立つために、ユダに裏切りをするよう命じるくらいだった。
果たして『御国』とはどのような所なのだろうか。
天使さえ見ることができないという世界は、果たして何処なのだろうか。
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