不死者の末路・2
「ああそうさ。僕は自分のすることを世の中の正当性で塗り固め、自分を欺いてきた」
ココロはそのまま頭を抱えた。自己の存在意義が軋み歪み、仮想的な痛みが体を走る。
「だからって、こんな形で因果応報が回るなんて……僕は、どうすればいいんだ、ミロク」
横に座っていたミロクは、ココロへと体を傾ける。
「わたくしがココロを縛ることは出来ませんわ」
遠い空を、月を見ながら、ミロクはココロに寄り添う。
「もちろん、わたくしがココロを赦すことも出来ませんわ」
そして、ココロの首に腕を回し、額をココロの頭に近づける。
「でも、あなたと今こうして一緒にいたい、と願うことは誰にも干渉することは出来ませんわ」
涙を貯めたココロの頭を両手で抱え、ココロの額と自分の額を合わせて、そして、ココロを抱きしめた。
「例え、神様でも」
優しい、だけど力を持った、大地の言葉だった。
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