18話【夢落ち・瑠李】
「家からでちゃだめだよ?すぐ帰ってくるから」
「うん、わかった」
大好きな人が私の頭に手をおいて外に出て行った。
どこへ行くんだろう
連れて行ってほしい
ひとりにしないでよ
寂しいよ
ねえ
今どこにいるの?
「ただいま」
何分こうしていたかわからない、もしかしたら1分かもしれないし、1日たっているかもしれない
立ち上がって、大好きな人を抱きしめる。
「ごめんね」
「ううん、大丈夫」
お姫様抱っこをしてくれて中に入って自分の部屋のベッドにおろされる
「おなか減った?お風呂入る?なにしたい?」
「るいと一緒に寝たい」
柔らかい声で名前を呼ばれる。優しい声は耳のなかで蕩けていって暖かくてはふわふわしている。
ベッドで横になったら優しく抱きしめられる、大好きな人の匂い。髪を解かれている
「あったかい」
抱きしめ返して胸に顔をうずめる。
「このまま寝よっか」
「何時に起きる?」
「るいが起きたら」
「それじゃあ何時かわからないよ?」
「るいがいるならそれでいいよ」
「…ふふふっ」
さっきより強く抱きしめられたので密着する、腕の重みが安心する。
体温、心臓の音、呼吸、胸の動き、全部がわかって愛くるしい。
とてもとても幸せで、狂ってしまいそうに愛してる
君がいなくなったら私はどうなってしまうんだろう。壊れてしまうかも。狂い果てるかもしれない。もしかしたら、君を追いかけるかも。
ずっと一緒。
離れない。離れさせない。
そんなことがあるのならばなにをしてでも私のものにしてみせる。
脅してでも、犯してでも、欺いてでも、
狂わせてでも、殺してでも
なにをしてでも、君を離しやしない。
君は永遠に私のもの
なにをしてもずっとずっと離れられない
できることなら、君をここに縛り付けておきたい
誰にも関わられず、誰にも触られず、誰も見られない。
それは、とてもとても幸せなんだろう
「愛してる、――」
ふと目が覚めた。
腰にある腕の重みは相変わらずの望々。
包まれているようでとても暖かい。
――そういえば誰との夢だったんだろう。
――まあいいか。今は、望々が隣にいるんだから
頬に手を添えて触れるだけのキスをする。
目にかかっている横髪を直してやる。
「ねえ、のの」
飛んでいっている掛け布団を取る
「とても素敵なことを夢が教えてくれたの」
自分も元の定位置に入る。
「ふふっそうなればとっても素敵なことだなぁ」
顔をうずめる
望々特有の匂いが私の体を狂わせていく。どんどんはまっていく沼から抜けられなくなる。
「ねーえ、のの」
「あなたを――してしまいたい」
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