第52話 葉桜<4月15日>
花と葉の交代期。
わずかに残った花の間から、赤みを帯びた葉が勢い良く伸び始める。
ソメイヨシノは花と葉の交代がはっきり分かれていて、
花の時期は花だけを楽しめる。
群咲くと一番美しい。
と思っていた。
近年、少し好みが変わってきた。
山桜やオオシマザクラが美しいと感じる。
白い花、緑濃い葉。
花と葉が同時に愛でられる。
その清々しい美しさに惹かれるのである。
そして、群れて咲かなくても良い。
一本の古木が美しく感じられる。
桜は古木に限る。
ソメイヨシノにしても、40年は経つ古木が美しい。
ソメイヨシノの寿命は50年とも60年とも言われる。
年古りた木ほど美しい。
私もそういうふうに歳を重ねたいが、
人間は、物言わぬ桜のようには美しくなれないのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます