第41話 春の憂鬱<3月25日>

昨年から入退院を繰り返している義母が、また入院した。

米寿を迎えているから、体力の衰えは仕方がないけれど。

花が好きだった義母。

桜の季節になったのだから、

まだ花が咲いているうちに退院になるといいな。

施設に戻れば花見も出来る。


自分の体力の衰えと、

義母の体力の衰えと。

若い時には考えなかった老化に直面し、

鬱々と楽しめないこの頃。

春なのに、花の季節なのに。

もの皆萌え出ずるときなのに。


出口のない憂鬱に囚われている。

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