この世界の仕組み

異世界に来て……いや、転生して6年がたった。この6年は非常にに耐え難いものだった。少しホコリがあるだけで俺はすぐに掃除したいのに。窓も家もちょっと隙間空いてるから虫が無視出来ない。

ダジャレじゃなくて割とマジな感じで。夏(一応四季があるらしい)には虫除けも無いしかゆみ止めもないから、蚊に刺され蚊に刺されカユイのカユイの耐えられない。前世では蚊どころかノミすら家にいれないようにしていたのに...でもこれでも普通の家らしい。

金持ちでも貧乏でもない...らしい。因みにこっちの世界での名前はガリューらしい。悪くない。


因みにこの世界の言語は一年で会得した。なかなか難しいものもあったが、何だかんだで基本が日本語と似ていた。日本語のように平仮名、カタカナ、漢字、もない上に、外国語も覚える必要が無いので、相当簡単に覚えられた。唯一大変だったのは、大人達の間で、勉強熱心だが気持ち悪い。というレッテルが貼られそうになり、誤魔化さなきゃいけなかった所ぐらいだ。

前にも説明したと思うが、電化製品が無い代わりに、この世界には魔法がある。料理は火の魔法で焼いて、燻して、風の魔法で乾かせば干物を作れる。といった具合らしい。水の魔法で茹でることも出来る。煮ることも可能らしい。そんなめんどくさいことするならガスコンロ作って欲しいわ(2度目)。


この世界でも学校はあるらしい。言語を会得した上に前世の学習内容も全部覚えている。国数技家は行けるだろ。理科は魔法、社会は歴史、英語に関してはあるか分からん。魔法が使えるかどうか心配だ。魔法が使えなくても生きては行けるが、ないと不便らしい。人によっては、落ちこぼれと言われ、イジメられる子もいるとかいないとか。やっぱり、落ちこぼれ呼ばわりだけはされたくない。


因みに今回の両親(変な言い方だが)は学校に通えなかったらしい。なんでもお金が足りなかったとか。でもここ数年で景気が良くなったとかでお金が入ったから学校に行けるのだと。学校は寮生活なので、暫くは両親に会えなくなる。私たちの分も学んで来いと言って俺を学校へ送り届けた。なんというか心が痛くなる話だ。

と、思っていたのだが、後に聞いた話、魔力が少なすぎて入学できなかったということだ。まあ、どの世界でも子供には少しでもいい格好したいもんなんだな。親は。

とにかく、ここからも分かる通り、場合によっては、追い返されることもありうる訳だ。それだけは嫌だ。勿論親が嫌いな訳では無い。結構いい人たちなんだよ。なんか他人行儀みたいだけど。


俺が行くのは、第4大陸第2初等魔術師学校という所だ。学校までは馬車だ。車なんてない。因みに異世界でも馬はいた。正直なところ食材や生物はほとんど地球と同じだ。一つ気になるのは、この世界には、人だけでなく、獣人族、魔族、獣族、妖精族、etc 多くの種族がいるわけだが、獣族の豚族が豚を食べているのが非常に見ていて気持ちが悪い。もちろん鳥や牛でも言える。この世に共食いという概念は無いのだろうか?そんなことを考えているうちにもう学校についた。何だか近いようなふうに聞こえるかもしれないが、馬車で半日以上も移動していた。


学校につくと最初に、クラス分けの儀式があった。儀式は簡単。生徒が持つ魔力を計って強い方からABCの3クラスに分けるだけだ。何でもないように思えるが、クラスによって授業のレベルも相当違うらしい。できれば質のいい授業を受けたいものである。しかしなんだ。デジャヴというかなんというか...

そのうち「グリフ〇ンドール!」って言われて、赤毛の大家族と楽しい日々を送りそうなんだが。


魔力の強さは級で分けられる。資格無し、初心者、初級、15級、14級、、、(略)1級、特級、王級、神級というように21段階で分けられる。細かいが、正確である。因みにこの区分けは剣術、格闘術、弓道、槍術、等の戦闘関係から、学力、兵法術、戦術、なんと料理もここまで細かく区切られている。細すぎて意味不明になりつつあるものの、細かな階級わけは、この世界でも重宝されている。どういうシステムか知らないが、詐称も不可能なので、完全に相手の実力を知ることが出来る。それによって詐欺が起こらないのはいいことだと思う。


「次。ガリュー君 こちらへ来なさい。」


やっと俺の番だ。俺の魔力はどれくらいかな。資格無しとかはやめて欲しい。まじで。

呼ばれた方へ行き、先生に血を軽く吸われる。この先生はヴァイア先生。女性ヴァンパイア。魔族の中でも上位の種族らしい。

魔力は血に溶ける。血を舐めれば魔力の濃さが分かるらしい。ヴァンパイアだけらしいが。


ヴァイア先生が血を吸った直後、先生は走って何処かへ行ってしまった。その顔はとても険しい顔だった。


まさか資格無しとかじゃないよね…………………………ないよね?

帰れとかは流石にやばい。何とかCクラスでもいいから。

ないって言って!と、言っても、無いという人は居ないんだけどね。って、そんな悠長な事言ってられないんだけどな...

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