12月14日 南極の日

 やあやあ諸君。


 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。




 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。


 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 私は何を謝るのか。まあ、そう急くな。


 いやしかし、最近はめっぽう冷え込むものである。

 まあ12月と言う季節を考えれば当然の事なのではあるが、なぜ毎年こう冬になると律儀に気温が下がってしまうのかと言われれば、それは太陽の周りを一年周期で回る地球が太陽から一番遠ざかる間隔が冬と呼ばれているんだそうで。逆に一番近づく時期が夏であり、その頃が一番気温が上がるんだそうですな。

 人間もそれと同じで、やはり冷えるときがあれば、その逆に温まる時があるという事である。




 さて、本日2017年12月14日は『南極の日』である。


 ただでさえ寒い冬のこの季節。

 地球上で最も寒いと言われる南極ではマイナス90℃近くにもなる事があるんだそうだ。我が家の冷凍庫よりも圧倒的に冷えると考えれば、想像のできない世界である。


 南極の日は1911年のこの日、ノルウェーの探検家・アムンゼンと4人の隊員が人類で初めて南極点に到達した事を記念し制定された一日である。


 わざわざ極寒の地に到達しようと考えたことも行動力も称賛に値する。彼ら五人は南極点に到達した際、何を感じていただろうか。凍てつく寒さか。ちぎれそうな耳の痛みか。感覚の薄くなっていく手足か。疲れから来る眠気か。

 いや、そうじゃない。きっと彼らはそのとき、心に熱い何かを感じていたはずだ。


 解けない氷は無い。つまりはそう言う事。




 今日は南極の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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