　やあやあ諸君。

　私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。

　諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

　私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。

　〒

　諸君らはこれが何のマークだかご存じだろうか。当然、知らぬ者はいないだろう。これを見たら郵便番号をすぐに思い浮かべるはずだ。我々の生活に深く結びついたこのマークが出来たきっかけを話そうと思う。本日、2017年2月8日は『〒マークの日』である。

　1887年のこの日、郵政省の前身である逓信省（ていしんしょう）がていしんしょうの丁（てい）に合わせてマークを決定した。だがしかし、万国共通の郵便料金不足『T』と紛らわしかった為、後14日にテイシンショウのテの字を文字って〒と言う記号が出来たわけだ。

　郵便番号と言えば、平成10年の２月２日に５桁から７桁に変わったのを覚えているだろうか。こちらはそう遡る話でもないので良く知られているだろうが、更に昔にもどると、郵便番号は元々３桁であったらしい。３桁の場合は都道府県の識別しか出来なかったが、７桁にしたことで市町村の識別までできるようになったそうだ。

　この頃導入された新型郵便区分機に郵便番号を読み込ませ、仕分けの効率化を図った狙いがあったそうだが、実際のところ思ったより効率は上がってないと言う。

　だが、この７桁の郵便番号は思わぬところで役に立つことになる。諸君らも経験した事があるのではないだろうか。例えばネットの通販や、サイトの会員登録をする際、わざわざ住所まで打ち込まなくても、郵便番号を入力しただけで自動的にそれらをやってくれる機能を使った事が。

　７桁にした事で生まれた思わぬ新機能。私も文字入力が得意な方ではないので、この機能が付いていると物凄く助かっている。是非今度は10桁くらいに改定し、名前やメールアドレスまでもを打ち込んでくれると有難い。

　今日は〒マークの日、特別な一日である。

　我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。