　やあやあ諸君。

　私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。

　諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

　私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。

　諸君らは自身の健康について深く考えているだろうか。黒酢、サプリメント、カテキン、ウコン。様々な健康飲料が蔓延しているこの時代。今日はその内の一つを紹介しよう。さて、本日、2017年2月3日は『乳酸菌の日』である。

　乳酸菌の日は、ケチャップでおなじみのカゴメ株式会社が、２《にゅう》３《さん》の語呂合わせから制定した記念日である。

　諸君らも乳酸菌と言う単語は耳にしたことぐらいはあるだろうが、それが一体なんなのかはあまり知られてはいないのではないだろうか。

　そもそも、正常な人間の体には100兆個以上の多様な細菌が住み着いていると言う。諸君らは細菌と聞くと病気の様にマイナスのイメージを連想するだろうが、中には人間の生命維持に欠かせない細菌、『善玉菌』もいる。乳酸菌もその一つであるが、正確には代謝により乳酸を産生する細菌の総称であり、現在確認されている乳酸菌は600種類以上に及ぶと言う。

　ヨーグルトなどの乳製品を始めとして、漬物や味噌、麹などの発酵食品からも簡単に摂取できる乳酸菌。なぜ善玉菌と呼ばれるのかと簡単に説明するのならば、我々が食したものを腸内で発酵させ、それにより人体に必要な栄養素が多く生成されると言ったところであるが、その他にも悪玉菌を排出する等の働きをする者もある。

　先ほども一度伝えたが、乳酸菌と一言で言ってもその種類は600以上。当然、一つ一つが同じ働きをするわけではない。

　そして、乳酸菌を配合していると謳っているヨーグルトが、実は、それぞれ違う乳酸菌を配合している事はご存じだろうか。つまり、食すヨーグルトによって表れる体への影響が変わってくるわけだ。

　いくつか例を挙げると、ダノンから発売されているビオヨーグルトにはBE80が含まれており整腸効果が期待できる。明治から発売されている明治ブルガリアヨーグルトにはブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131菌が含まれており、便秘改善と美肌効果が、メグミルクから発売されているナチュレ恵にはガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株が含まれており、内臓脂肪や皮下脂肪の低減効果が期待できる。これからの時期、花粉が心配ならビフィズス菌BB536が含まれる森永のビヒダスヨーグルトがお勧めである。

　お分かりだろうか。一見、全部同じに見えるヨーグルトだが、含まれる乳酸菌も効能もまるで違うのである。健康の為に、毎朝ヨーグルトを食していると言った者も、この事実を知らない事が多い。毎日何個もヨーグルトを食べるのは、金銭的にも精神的にも、流石に辛いものがある。ヨーグルトに限らず、どうせ食べるのであれば、自分が真に取り入れるべきものをしっかりと吟味した方がよさそうだ。

　今日は乳酸菌の日、特別な一日である。

　我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。