第520話心にくきもの(4)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
夜が本当に更けてきて、中宮様も寝処に入られました。
女房たちも、皆寝てしまっているのですが、奥の方から碁石の入れ物に石を入れる音が何度も何度も聞こえてくるのは、本当に奥ゆかしさ感じます。
火箸を音を立てないようにと、灰に突き立てている音も聞こえてくるので、まだ起きている人がいるようで、すごく心をひかれます。
やはり、いつまでも寝ない人というのは、何か奥ゆかしさを感じます。
人が横になっている所で、物腰に何か聞こえてきます。
それを夜中に目を覚まして、しっかり聞くと、確かに起きている人の気配がします。
ただ、わかるのは、そこまでで、聞こえないほどのひそやかな言葉と、相手の男も忍び笑いをしているくらい。
何を話しているのか、つい、聞きたくなってしまいます。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :これは深夜の話ですね。
清少納言先生:あっさり眠ってしまえば気が付かないけれど、それぞれに寝ない人、眠れない人もあるのです。
舞夢 :全てがひそやかな音なので、どうしても興味をひかれるのですね。
清少納言先生:あからさま以上に、そうなります。
心にくきもの(5)に続く。
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