第298話卯月のつもごりがたに

清少納言先生:今日は卯月のつもごりがたにの話になります。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


四月末近くの頃に、初瀬詣でをして、「淀の渡り」を体験している時のことになります。

舟に牛車をのせて進むのですが、菖蒲や真菰の葉末が水面から少し見えてたので、それを取らせてみると、本当に長いのです。

端午の節供に使うのでしょうか、刈った真菰を積んだ舟が往来しているのは、見慣れない光景です。

「高瀬の淀に」という歌は、この光景を詠んだのだと思い、本当に趣が深いものがあります。

五月三日の帰りに見ていると、小雨が降っていたのですが、端午の節供も近いので菖蒲を刈るのでしょう、本当に小さな笠をかぶり、裾をからげて脛を長々と見せた男や子どもたちが下り立っている姿など、まるで屏風絵です。

本当に興味をひかれるものでした。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :淀の渡りとは?

清少納言先生:山城国の久世郡、宇治川と木津川が合流する淀と山崎の辺にあった船着き場です。真菰や菖蒲の産地でした。

舞夢    :「高瀬の淀に」を教えてください。

清少納言先生:「こもまくら 高瀬の淀に 刈る菰の かるともわれは 知らで頼まむ」、つまり「あなたが心変わりをして来なくなったとしても、私はそれを知ることもなく、あなたの訪れを待つことでしょう」となります。高瀬は淀川に沿う守口の辺ですので。

舞夢    :そうなると、本当に興味深い光景になりますね。

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