第132話暁に帰らん人は(4)
清少納言先生:それでは、最後までお願いします。
舞夢 :了解しました。
おそらく他の女のことを思い出したのでしょうね。
さっさと床を離れて、いそいそと動き回って、指貫の腰紐を音を立てて結び直し、直衣や袍や狩衣も、袖をまくり上げて、すっと腕を通し、帯も本当にきっちりと結び終えてしまいます。
烏帽子の緒も、絶対抜けないぐらいにキチンと結び、音を立てて頭にかぶせ、扇や畳紙の昨晩枕元に置いて、寝物語の最中に散らばってしまったのを探しています。
まあ、暗いので、そんな簡単に見えるわけでもないですが、「どこかな、どこかな」とてさぐりで探して、見つけ出して、扇でちょっと顔をあおいで、懐紙を懐にいれています。
まあ「帰ります」などぐらいは、言うようです。
清少納言先生:はい、お疲れ様でした。
舞夢 :まあ、次のお相手がいるとかですか?
清少納言先生:そうなると、さっぱりと消えていくと。
舞夢 :消えられたほうは、複雑ですね。
清少納言先生:ただ、寄り付かなくなると、それもねえ・・・
経済的な援助とか、いろいろあるらしい。
艶なようで、なかなか複雑である。
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