第2話 生まれ

生まれる場所は選べない、今はそう思うのであるが、昔は違った


 お前たちは選ばれた。

繰り返し言われた言葉だ


 自分は小さな山奥で生まれ毎日剣の稽古に明け暮れた

畑を作ったり、動物を取ったりして自給自足して暮らしたが

 並みの労働ではなかった

 朝起きると、小さな子は冷たくなったりしているのにも

慣れてしまった


 稽古の途中で死んでしまう者もいたし、重傷を負うとどこかに連れていかれて


もう帰ってこなかった


 子共同士は中がよかったがどこか冷めていた


死はいつも当たり前に自分の身近にあった


 日付けがわからないので、森の木にこっそり傷をつけた


そんなふうにして月日は過ぎて言った


 

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