第11話さまようよろいの黄昏

 夕べ、陽も落ちたなアと思ってキッチンに入ったら、真っ暗だった。雨戸の大半は閉まっているし、明かりもついてない。妙に思ってライトをつけたらそこに!


 レベル91のさまようよろいが椅子に腰かけてたたずんでいた!


 ひい。ななにやってんの?

 尋ねたら、暇だからボーっとしていた、ということだった。

 べつにノーコメントでも構わなかったけど、聞かされると何だか胸にせつない理由だった。明かりぐらいつけてていいのに。

「なーにもすることなかけん」

 ひあ! こわいこわいこあうぃ!

 洗面所でお水を飲んでこよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る