記憶

若いころに満たされなかった欲求を僕は今追っていた。


女の子を求めるのも、大勢の人間に認められるのも


全ては若いころに満たされなかった欲求だった。


20歳から発病して現在に至るまで僕はずっと誰かへの


おそらくそれは身近な人への憧れを抱き続けていた。


どうしてだろう。


子供じみた自分を素直な自分を嫌悪するのは。


実は心の中の衝動はおそらく思春期の欲求だろうか。


嗚呼


ひどい青春だった。


常に鬱屈した日々を送っていた。


だからあれほどまで僕らは高校時代に憧れた。


な。


俺たちはあのころひたすらに高校が舞台のアニメを見ていたのだ。


暗い時代だった。


とても明るい光なんか見えやしなかった。


黒い暗黒のまとう空。


その中で上へ上へと地上から飛び立とうとしていたのは僕ら。


青い空は地上にあると教えたのは僕だ。


赤い太陽。


青い海。


そして大地に降り注ぐのは雨。


しっとりと砂を濡らす。


水は地の底まで染みわたってゆく。


俺は銀の羽のついた矢を引いた。


こんなにも


求めたのは


懐かしい


青臭い


辛い


日々だ。

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