【素朴な疑問】

「ところで」

 薫は、音羽と羽音に真顔で言った。

「君達はまだつき合わないのかね?」

「えっ?」

 音羽はほんわか笑顔のままだったが、羽音はあからさまに動揺した。

「あたし達、姉妹だよ?」

 そして、大慌てで弁明する。

「そんなの近親相姦だし……」

 そう自分と音羽は血の繋がった姉妹なのだ。

「禁断の恋だし……」

 だから、誰にも知られてはいけないのだ。

 この恋は。

「はのんちゃんは~、妹だから~」

 ほんわか笑顔で、音羽も同意した。

「……」

 しかし、その一言に、地味に衝撃ショックを受ける羽音だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る