【真打ち、登場】
「ごめんね~、遅れちゃった~」
「謝るぐらいなら、走ればいいのに」
琴美は全く気にしていない様子だったが、羽音はそんな姉の態度にカチンときた。思わず語尾を強めて皮肉めいたことを言ってしまう。
「え~っ~」
しかし、音羽は露骨に嫌そうな顔をすると、駄々をこねるような口調で言い返す。
「走るの苦手~」
あまりの発言に羽音は呆れ顔で音羽を見た。それが気に入らなかったのか、音羽は珍しく頬を膨らませて不満そうな表情をする。
「それに~、元はと言えば~、電車~、乗り遅れたのは~」
それからにっこり微笑むと、悪戯した子供に言い聞かせるようにやんわりと指摘した。
「はのんちゃんが、寝坊した
「まぁ……そうだけど…………」
痛いところを突かれて、それ以上何も言えなくなる羽音だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます