【副部長、出撃】
「部を活動停止処分にしたいの?」
目を三角にした羽音は、音羽を指さして説教した。一応、お嬢様学校なので、不純異性交遊には厳しい。そんなシーンを入れれば、例え劇でも問題になるだろう。
しかし、音羽は悪びれた様子も見せずにてへっ、と笑うだけだった。
「夕貴も、のせられない」
姉の態度に呆れながら、羽音は夕貴の方を向くと視線で小突いく。
「すみません、副部長……」
少し冷静になり、自分がどれだけ大それた事をしようとしていたか自覚した夕貴は、本当に済まなそうに頭を下げた。そのヘコミ具合を見て充分だと思った羽音は、表情を緩めてから改めて夕貴を見た。
「まぁ、確かに夕貴はもう一歩、踏み込んで演技してもいいとは思うけどね」
さすがにキスはマズイけど、と副部長として、そして、男役の先輩としてアドバイスしする。
それは既に夕貴もわかっていた。音羽の演技を見た後だと、今まで自分の演技は淡泊に感じてしまう。だが、それを認めると
「副部長がそう言うなら……やってみるよ」
なので、羽音の言葉なら、と自分を納得させ頷く夕貴だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます