【音羽アタック】

「お待たせ~」

 委員会を終えて昇降口を出てきた音羽は、直ぐに羽音の姿を見つけるとほんわか笑顔を浮かべて近寄ろうとした。

「…………ん~?」

 だが、その途中で妹の様子がおかしいのに気付く。硝子扉の前に一人立つ羽音は、何故かとっても不機嫌そうだった。

「なにかあったの~?」

「別に……!」

 首を傾げて尋ねる音羽にも素っ気なく顔を背けて一人、歩き出そうとする。

「…………」

 音羽はいつになく神妙な面持ちになった。少しだけ考える。それから直ぐに行動に移った。

 こっそり羽音の背中に近づくと、

「え~いっ~♪」

 後ろから抱きしめるように羽音の胸を触った。

「!!」

 突然の出来事に、目と口を大きく開きながら声にならない悲鳴を上げる羽音だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る