第12話 雪の降った日


 すごく雪が降っている

 しんしんと、足元に、染みる


 こんな寒い日には

 もうトイレにも行きたくないから

 じっとひとり、布団の中に潜り込みたい


 こんな寒い日には

 お風呂もご飯も後回しにして

 ただ、時間が過ぎるのをぬくぬく待ちたい


 こんな寒い日なら

 いっそ子供の頃に戻って

 母親が呼び止めに来るまで

 外で雪と遊びたい


 呼吸さえめんどくさくなって、

 このまま固まってしまったら、

 なにも考えることも無くて、

 明日は憂鬱にならないのかな



 そんなことまで考えたのは

 すごく雪が降ったから

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