第4話 作者


 それはきっと廃れていた。

 言葉は死んだ匂いしかない。


 若者は、音楽に夢中で

 馬鹿ばか者は、さがしに夢中さ


 それを無視して書き続けるのに、

 いつから意味を求めだしたか


 評価が欲しいと、寂しがるが

 見ららば、気取った駄作になるだけ


 真面目に書けば、笑われるのに

 ふざけて書けば、くだらないものしか残らない


 歌を歌えば、自意識だと

 詩を書けば 恥ずかしいだの

 言いたがりの 誰かのはざまの


 作家の顔は見られないほうがいい


 気取ってると思われるほうが、気力を使うほどの小心者の



 それでも、なにか、書きたいと、

 僕をここに向かわせる。


 たいしたこともない、ちっぽけな、ただの非力ひりきな、人間に。

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