魔闘拳士
八波草三郎
序詩
魔闘拳士の詩
其の者は魔法士にして拳士なり
西部一と謳われし美姫の傍らにあり
美姫に思慕を寄せし者多く、噂になりて多くが都に詰め寄せる
困りし姫は戯れにも、魔闘拳士倒せし者の妻にと宣する
美姫を妻にと望みし者各地より押し寄せるも、
剛腕の武芸者、名高き魔法士、その全てが魔闘拳士の前に膝を屈す
王の認めし誉れ高き聖騎士はその剣を届かせるに及ばず
王宮に務めし宮廷魔法士の魔法はその拳の前に消え失せる
美姫を見初めし王子、剣を取りて魔闘拳士に挑みしも地を舐める
諦めきれぬ王子は鍛えては幾たびも幾たびも挑む
その真摯なる姿に心打たれし美姫は王子の求婚にこたえる
慶事に沸き立つ都
しかし、そこへひたひたと攻め寄せし隣国の軍勢
その前に立ち塞がりしは魔闘拳士
彼の武威の前では如何なる強兵も敵う者なし
そして王子と美姫の婚儀に、祝花に彩られし都
重なる祝いの言葉をよそに、役目終えし英雄はその地を去る
いずことも知れず
いずことも知れず
宮廷詩人サンクリート 『魔闘拳士の詩』より抜粋
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます