第11話 どうでもいいけどマカロン食べたい
エイバル達はこの場からいなくなり、居るのはギルドマスターと…―――
先に口を開いたのはギルドマスター。
「まずあなたに3つ、聞きたいことがある。いい?」
「問題ないぞ?」
3つか…意外と少ない。
「まず1つ、ステータスはあの子達から聞いた。レベルはともかく、あの知力と器用は何?」
うへぇ、やっぱそれかぁ…仕方ないので前世の記憶云々を正直に話す。
「―――という事だ。ちなみに、レベルはダンジョン回りまくったらこうなった。」
「にわかには信じれないけど、信じる。あなたもそんなレベルの上げ方したのね。」
「他にやったやつでもいたのか?」
「いた。私。今はレベル159。」
わぁお、上には上がいるもんだなぁ…
「2つ目は?」
「2つ目は、どうやって知能の低いゴブリンをそこまで育て上げたか。」
「前世の記憶フル活用。」
我ながら単純すぎワロタ。
「そう…じゃあ最後。―――マカロン作って?」
沈黙。
―――は?
「いきなり何言い出すんだこのロリエルフ…」
「ロリ…?」
しまった、つい本音が…まあいいや。事実だし、戦闘でも少なくとも負ける気はしないし。
「…まあ、自覚はしてる。で、作るの?」
「…作るよ、作りますよ。でも何故?」
「食べたくなったから。だめ?」
…このロリエルフには敵わないな、こりゃ。
ちなみに、
さてと…そろそろこちらの要件を話そう。
「さてと、勿論俺にはここへ来た理由がある。2つだ。」
「いいよ。」
再びの沈黙。
「…せめて話聞こうか」
「どのみちいいから、いいよ。」
はぁ…このエルフ、ロリなだけじゃなく駄エルフか?仕方ないから、俺の身分を証明できる証が欲しいこと、国王への謁見をしたいからそのへんの根回しをしてほしいことの二つを頼んだ。相変わらず答えは「いいよ。」だったが。
「本当に即決でいいのか?」
「マカロンのお礼。ただ、謁見は念のため警備付けるよ?」
あ、これはちょろいぞ。ちょろいロリな駄エルフ…ちょロリ駄エルフだったとはな…うん、語呂悪っ。
警戒についてはこちらも証明できない以上異論がないことを伝えておいた。
「じゃあ、呼んでもいいよね。誰か、パーティー『
暫くして、皆が戻ってきた。何の話をするつもりだ?
「座って、お仕事の話。」
成程、謁見の警戒の依頼か。
「えーっと、コホン、パーティー『
…うん?仕事モードか?だとしたらすげぇ変わりようだな…
「この話に関しては確実なのですが、貴方達にギルドとしての依頼をさせていただきます。依頼内容としては、念のための警戒ですね。信頼に足る人物であることは確認できましたが、可能性が捨てきれないため、このような措置とさせて頂くことで決定しました。私も付きますが、私ひとりでこの実力は処理できないでしょう。主には私のフォローをお願いする形になります。報酬は1万z、事件が起きた場合はその活躍に応じ増金、という形にしましょう。」
「はぁ…話はだいたいわかりましたが、なぜ我々が?」
―――エイバル君、君たち、俺の理解者じゃないか。
「簡単な話です。この事はまだあまり公にはできない。ならばそれを知っている貴方達に白羽の矢が当たるのは当然のこと、という訳です。」
「―――分かりました。この依頼、受けさせて頂きます。」
「ありがとうございます。日時はこちらで決めさせていただきますね。はい、これでこの話はおしまい。ギンくんは…そう、冒険者登録しなきゃね。」
「冒険者か…ま、いいかな」
数々の身分証明の中で一番簡単かつわかりやすいものだ。暫くは村を離れることになるか?いや、
そういや、名前聞いてなかったな。
「そうだ、名前は?」
「マロン。マロン=アリエス。よろしく。」
俺はこのあとすぐに冒険者となった―――表向きにはまだだが―――為、村に帰る前に街を回ることにした。入国し直してね。あ、マロンにマスマホ渡した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます