無駄が無駄を呼ぶ前に
『無駄だよな〜』
誰かが言った。まさにその通りだろう。
『生きてる事が?』
『そう。アイツが生きてる事自体、無駄』
アイツ──……俺の事だ。気付けば周りは敵だらけ。
『嗚呼……そうだよね、理解出来ないモノだもの……』
他人と間には分厚い壁が十数枚。
だって──……
生きてる事が無駄なんだろう?
人なんて虚構の上に出来た、風前の灯同然で
俺はその人間ですらなくて
──『じゃあ俺は何ですか?』
感情が消えた人形?
心が機能しない
揺れてる事にも気付かない虚無で虚ろな、ぬいぐるみ?
一体俺が何をしたって言うんですか?
俺は生きてたらダメなんですか?
俺が息を吸う事は重罪ですか?
俺が笑う事は醜いですか?
俺が泣く事は汚れた傑物に過ぎないんですか?
そんなにも俺の事が──……
大ッ嫌い何ですか?
別に好かれようとなんて、
烏滸がましい事は言えないけど
けど俺はあなた方には邪魔者で
だったらグチグチいう前に
殺してくれれば良かったのに
殺してさえもらえないんなら
自分で消えてしまって構わない
暗い暗い何も見えない、何も聞こえない海の底で
独りで居れば──……
苦しくはないのかもしれない
無駄が無駄を呼ぶ前に
そうして俺は海の底に身を投げ出した
寂しいなんて、言える訳が無い
苦しいなんて、叫べる訳が無い
助けてなんて、呼べる訳が無い
俺の為に無駄な時間を割いて欲しくない
生きる意味の無い無駄なものに心をかけないでくれ
惨めで虚無で空白で虚ろな無機物に
真面目になって話さないでよ、虚しいだけだから
心なんてモノが無ければ
感情なんてモノが無ければ
思いなんてモノが無ければ
簡単に生きれたかも、しれないのに
生きる事が無駄な俺はどうしたら良いんですか?
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