⑥ 伝えたい気持ち
翌朝私はすぐに透麻の家に行った。
ピンポーン
透麻が出て来た
「と...透麻。昨日はごめんね。何もしてないやつが上から文句ばっかり言って。それだけじゃなく、逆ギレしだして……本当にごめんね。」
正直に伝えるのが一番だと思い、こう言った。透麻は許してくれるかな。
「いや……俺も悪かった。お前は何も悪くないのに、怒って悪かったよ。」
「え? ……本当にいいの? てか、透麻は悪くないよ!」
「いいって言ってんだろ? ……じゃあ、俺とお前どっちもが悪い、お互い様って事にするか。」
「そうだね。ありがとう! やっぱ透麻は透麻だね! でも私お前じゃないよ、琴魅だよ?」
これは小学校の頃からずっと言っていること……なのにいっつもお前って言ってくる……そろそろなおしてほしいな。
「おう……分かったよ。」
「なんか昔に戻ったみたいだね。」
「おま……琴魅は昔って言うほど生きてないだろ。」
げっ……痛いところを言われてしまった。いや、でも同い年だ。確かに死んでるけど空の上で生活してた訳だから……。まぁ、いっか? 3年若いってことにしてやるよ。
「バレちゃった? でも透麻も私とあんま生きてる年数変わんないじゃん。3年しか違わないし〜。」
「3年は結構長いぞ〜。」
「そんな長くないし〜。3年なんてすぐです!!」
「まぁ、それは良いとして、お前が言っていた大切なことって何だよ。俺昨日考えてみたんだけどさ、ひとつしか思い浮かばなくって。」
「……良くないわ! でも、昨日も言ったけど、私からは教えれないよ。ただ、私と透麻にとってすごい大切なことだよ。」
そうか……俺と琴魅にとって大切なことなんだろ、だったらこれしかないだろ。
「それについてなんだけどさ、やっぱ俺わかったかもしれない。大切なことってさ、俺がお前のことが好きだってことじゃないのか。」
「……さっっすが透麻!! 一発で正解とか私愛されてるね〜。」
やばい、すごく恥ずかしいんだけど……何真顔で言ってんのよ! もう! 透麻のばかばかばかー!
「で、お前はどうなんだよ?」
「どうなんだよって?」
「俺のことどう思ってるんだよ! 好きなのか?嫌いなのか?恥ずかしいこと言わせんなよ……」
「好きに決まってんじゃん! 私たち両思いだよ!……不束者ですがどうぞよろしくお願いします?? 笑」
「おう、よろしくな!」
……色々と複雑な感じがする。こんな急展開おかしくないか?……でも今はそんなことはどうだっていいんじゃないか?そう、限りあるかもしれない、今あるこの時間を楽しもう!
と、俺は決めたのだ。
こうして俺は琴魅とついに付き合うことになったのだ。
付き合ってすぐ、夏祭りがあるとかと聞いたので二人で行くことにした。
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