OPENING PHASE
Opening 01: 日常
————シーンプレイヤー:月見里香澄
GM:さあ、オープニングを始めていこう。シーンプレイヤーはPC1の香澄。普段通りの、授業中のシーンだ。
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ダブルクロスでは、「シーン」という単位で物語を進めていきます。映画のシーンと同じように、1つずつの目的や出来事に対して場面を区切り、その中で演出や演技をしていきます。そうしたシーンを積み重ねることで物語を紡いでいくのです。
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GM:じゃあ、初めはこちらで演出していくねー。
季節は初夏。穏やかな陽射しの差し込む午後の教室で、キミはいつも通り授業を受けている。5時限目の英語の授業。昼休みの楽しみだったお弁当の余韻が、生徒たちの眠気を誘う時間だ。
窓の外では小鳥たちが木の枝に遊ぶ姿も見える。まさに平和な午後だ。
GM:キミはどうしている?
香澄:英語のテキストを眼前に立てて、手にはしゃきっとペンを握ったまま構えの姿勢。ノートの上にはハンドタオルをそっと敷いて眠たいなあって頬杖ついてます。ぼちぼちねむい。
GM:授業は先生の熱い解説が続いているけど、キミの耳には話半分にしか入ってきていない、かな。
香澄:半分は先生の話、半分は昨夜読んだごほんの反芻ですね
GM:ちなみにどんなご本?
香澄:ええっ!? ……ハリーポッターの新作かなぁ。
GM:なるほどw そうしたら、だんだんと外の小鳥のさえずりが遠ざかっていくような気がする。
香澄:枕ならあるぞ(ハンドタオルぽんぽん)
GM:寝る準備万端だね(笑) では、キミは束の間の
香澄はある王城の中に立っていた。おとぎ話の中のような、現実感のないイメージ。きらびやかな装飾、奥には玉座。
そしてふと、自分の手に目を落とす。
そこには、紅蓮に輝く、一振りの鎌が……
GM:さて、そうやって夢の世界を満喫していたキミだが、ふと違和感を感じる。……判定の練習をしてみよう。
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TRPGではサイコロを振って、その出目で物事の成否や出来具合を決めていきます。この作業を「判定」と呼びます。
判定には様々な種類がありますが、ダブルクロスでは10面体のダイスを使って判定をしていきます。プレイヤーは指定された技能に対応する【能力値】の数だけダイスを振って、一番大きい出目に〈技能値〉を足して達成値を出します。この値が目標値よりも高ければ、判定は「成功」です。
+++
(註)能力値は【】カッコで、技能は〈〉カッコで表すなど、一部表記はルールブック記載の表記法に従っています。エフェクト名は《》、計算式やゲーム内用語は[]。
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GM:〈知覚〉の難易度7で判定してみて。〈知覚〉は【感覚】に属する技能、香澄の【感覚】は1だから、ダイス1つで判定だね。
香澄:出目9で成功したよ。
GM:ありがとう。ではキミは身の危険を察知した。今まさに、自分の身に火の粉が降りかかろうとしている。〈回避〉で難易度6の判定だ! 今度は【肉体】だから、ダイス7個でどうぞ!
香澄:夢の中なので状況への違和感は感じずにそのまま目を見開いて避けようと……(ダイスを振る)ダイス目6で<回避>は1あるから、達成値7で成功!
GM:キミは本能的に、首を横に振った。つい先ほどまでキミの頭があった空間を、寸分違わずに白い軌跡が飛び去った。英語教師、
香澄はふと違和感を感じる。夢の中の王城の、奥、玉座のあたりから、白い光が煌めいた気がした。光は自分目掛けてまっすぐに飛来し——。
目を開けると、そこは教室で。白い軌跡は
「
チョークの後を追うように名物教師の喝が飛ぶ。教室はどっと笑いで溢れた。
香澄:はっと目を瞬いてしばしぽかんとしてから居た堪れなげに目を伏せて、
「廊下に立ってます」
って立ち上がります。仏頂面なので真顔で
GM:それには苦笑いして、ちゃんと授業を続けて受けなさい、って言われるかな(笑) まあ、そんな感じで、平穏に授業の終わりを告げるチャイムがなる。
授業が終わるとすぐに、キミに声をかけてくる子がいるだろう。クラスメイトの
「ちょっと、やめてよねぇ」
ふわふわ笑いながら、話しかけます。
ここでSM登場。PL2人、「かわいい!」と大いに沸きます。
香澄:(授業は座って最後まで受けました良い子です)
片付けようとしていたノート類から顔を上げて
「……ああ、ごめん。当たらなくてよかった」
真顔で返します。
朱莉:「あたらなくてよかったけど……ほら、ねぇ、よだれ、でてる!」
相変わらずふわふわ笑いながら。真顔は緩むのかしら?
香澄:「…………、どこ?」
ぱちりとひとつ瞬き。結局敷きっぱなしのハンドタオルを持ち上げて、顔を覆って。
「夢、良いところだったのに」とぽそり。
朱莉:「ここ、ここ。」
隠された口元を指差しながら。
「ねぇ?」
お隣の席の女の子にも、楽しそうに同意を。
GM:うんうん、と隣の席に来ていた女子
朱莉:夢、面白かったの?
香澄:「…………、言いふらさないでよ。」
真顔のままくいと拭って、少しだけはにかみじみて笑ってから。
「面白い、というか。不思議な夢だった。
……最後は先生のチョークで終わっちゃったけど」
朱莉:はにかみを確認したら、かすみの席にどっかりと肘をついて、会話を続けます。
「不思議な夢? かすみのお話みたいなかんじ?」
香澄:「……私の話には鎌なんて出てこないけど」
考えてることを作品以外で形にするのは苦手なので、要領を得ない回答だけ。
朱莉:「鎌ぁ?」
眉をひそめるけれど、さほど深刻そうにというわけでもなく。
「かすみ、きっとまだ寝ぼけてる!」ふふっと笑います。
香澄:「……次は50分間起きてられるように善処はするよ」
両手を上げて降参めいたポーズを取れば、次の授業の教材出そうかな
GM:じゃあ、見計らったように、予鈴が鳴るだろう。またいつものような、退屈な授業が始まる……。
香澄:口だけで「そっちもがんばれ」って伝えて手をひらっと振って前向けのジェスチャー
少女は、友人が前を向いて授業の姿勢になるのを見届けると、自分も手早く準備をすませる。垂れた長い黒髪を、耳にかけ直し、これから始まる授業へと意識を向ける。
ちょっぴり退屈で、でも馴染みのある、いつもの日常が今日もまた続くのだ。
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