ヤミニタダヨウ

郁秋

キョウノヤミ

気が付けば。

多分、きっと。今は

人生の折返し地点。


何も持たなかった私は

何にも縛られず

今日もフラフラと

誰かの手から離れてしまった

風船のように闇に漂う。


なんでも持っている幼馴染は

大きな気球のように、

しっかりと

大地を蹴って

飛び回る。


方向を示す風と

迷わない地図と

決して落ちない帆に守られて。


それは

独り身の私と

家族を持つ彼女との

大きな違い。


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