第64話 プリズム
降り注ぐ光の粒子に手を伸ばす
決して届かない世界に焦がれるように
乾いた痛みを知りながら飽きもせず
5月の風の中ほんの少しの熱を知る
通り過ぎた町並みに立ち尽くす少女は
どこまでも透明な存在で
生まれては消えていくしゃぼん玉みたいに
七色にはかなくゆらめいた
滲む視界が捉えたのはセピア色した風景
その中に取り残されたのは無数の孤独
気づかないふりしてそっと目を閉じた
冷えていく世界に取り込まれないために
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