自由律その十四

三秒経てばすぐに忘れる


一晩寝るとあらかた忘れる


三日もすれば全て忘れる


童話とは何だったのか


聞いてしまった悪口が心を巣食う私は別に関係ないのに


名札に書かれた漢字の斬新さに思わず二度見する


ろくに恋愛もできないくせにふと考える結婚のこと


そういう考え方でいけば私だってファンタジー作家だ


増えすぎるだけで減らない趣味の整理を諦める


まどろみ直後に思い出す仕事の存在に絶望する

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