日本奪還作戦

右日本

第1話 プロローグ


 今まで数えきれない尊い命が失われた。

 そして殉じた先人の名誉は踏みにじられた。


 今日も、明日も、主権が犯され続けた。



-尖閣諸島-


 黒煙が吹き上がる。


 海上自衛隊が誇る最新鋭イージス艦は、無惨に破壊し尽くされていた。交戦規定が足枷となり、先制攻撃を受けたのだ。


 艦が、命が、海面に沈みゆく。


 それは何度も繰り返された光景。


 日本国を救える者はいないのか……。



-首相官邸内閣危機管理センター-


 血の滲む唇を噛みしめ、その男はうなだれていた。


 日本国内閣総理大臣、安田三郎。


「…………」


 閣僚たちもただ、彼を見やるばかりで一言も発しない。

 それでも、彼の悔しさの業火が燃え盛るのは誰もが感じていた。


 

 日本国は……もう主権国家ではない。



 誰もがそう思い、諦めた…………。



 




 








 


 


 


 




 


 





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