第5話
Quel est le trésor? Vous à Parlons un secret
Herbe, tels que les racines des buissons d'épines
Les épines se réfère à vous comme 'Roses
Si, si elle est possible d'ajouter cette herbe dans la main
Vous trouverez une vie
Pierre lourde Ce qui est nécessaire est
Le médecin serait te attirer l'abîme
Que le trésor est venu d'où アオイ紅
Ou trésor réside dans le où maintenant la
Treasure est où maintenant?
Habitat du fantôme Avant de feuilles
Quant à la prospérité à jamais, ma famille
♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰
宝物はなに
秘密をおまえに語ろう。
その根が
その棘は野薔薇のようにおまえの手を指す
もし、この草を手に入れることができるなら
おまえは命を見つけるだろう
必要なのは重い石
石が
宝物は何処からきた アオイ紅
宝物は今は何処にあるのか 亡霊の棲家 シーツの前
われらが一族に 未来永劫 栄あれ
♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰ ♰
「うそだ! こんなこと有り得ない!」
「古文書に〈日本語〉が書かれているなんて!」
その通り。
原書だというラテン語と、少し新しい翻訳版のフランス語、その二枚の古文書のどちらにもはっきりと一カ所、
その部分こそ――
《 アオイ紅 》
「これはどういうこと?」
「どういうも何も、元々、こうなのです。だからこそ――」
「――貴方は日本人が必要だった?」
ノワイユの言葉を興梠が奪い取った。
「貴方が、僕らが〈日本人〉と知って喜んだ〝本当の理由〟はこれか!」
「お察しの通りです。私にはチンプンカンプンだが、貴方たちは日本人だ。しかも、職業が探偵とくれば、必ずや、この古文書の謎の文言を読み解いて、財宝の隠し場所を突き止めることができるはず」
興奮を抑えきれず両手を握り合わせてノワイユは叫んだ。
「ああ! 成り上がった私はやはりついている! 甘やかされた愚鈍な一族が何世紀に渡り読み解けなかった、古文書を、入手してわずか半月で読み取る〈鍵〉をこうも易々と見つけたのだ!」
「ひゃあ! 〈天の使い〉になったり〈鍵〉になったり、ここパリじゃ変幻自在だね、興梠さん?」
いかにも少年助手らしい皮肉の籠った言葉だが、財宝に心奪われた新当主には聞こえないようだ。
「この流れは、もう 宝物が私のものになりたがってるとしか思えないっ!」
「そこまで言う!? ノワイユさん!」
「流石にそれは言い過ぎですよ」
「いやいや、私は信じています。何卒よろしくお願いしますよ、ムシュウ・コオロギ! そして、その相棒君!」
と、ここで、突然ドアが開いた。
転がり込んで来た影――
その人物は叫んだ。
「ノワイユさん! どうか、この僕もその謎解きに参加させてください!」
「君は――」
「まだいたのか! 帰ったんじゃないのか!」
そう、自称絵画発掘人、あのルカ・メロンだった。
「いえ、いったんは帰ったんです。でも、途中で――」
青年は肩をすくめた。
「気がついたんです。ほら、貴方は『弁護士ならロザンタール家の現在の住所を知っているかも』とおっしゃっていたでしょ? だから、弁護士の名前を教えていただこうと、引き返して来たところ――」
「立ち聞きしたと?」
ティメオ・ノワイユは激怒した。顔面を朱に染めて罵倒する。
「出て行け! このチンピラめ! やはり、おまえのような胡散臭い人間を邸に入れるんじゃなかった! セロー、セロー! あの執事め、高い給金を払ってるのに何をしている? 早くこいつを放り出せ!」
「そうおっしゃらないで! それに、僕を仲間にした方がなにかとお得ですよ、ノワイユさん!」
「う?」
優秀な商売人・新興成金・泥棒貴族・ティメオ・ノワイユは〈お得〉という言葉に条件反射したらしい。 振り上げた拳が宙に止まる。
「考えてもみてください。〈古文書の謎の解明〉はこちらの異邦人、東洋の名探偵に任せるとして――貴方が付きっ切りと言うわけにはいかないのでしょ? パリ1の実業家であらせられる貴方はお忙しい身だ。だから、僕みたいな欧州中の事情や文化・伝統に詳しい人間が傍にいたほうがいい。絶対、役に立つはず」
一理ある。興梠は頷いた。
「なるほど。確かにそれは心強いな」
「ね! 僕は良きアシスタントになれます!」
志儀もピュッと口笛を吹いて、
「確かにね。僕も認めるよ。僕は本国では優秀な助手だけど、パリでは勝手が違う。いつも通りの有能な働きをする自信がないな」
「……フシギ君、君、本国で、いつ、有能ぶりを発揮したんだい?」
「貴方は黙っててよ! 興梠さん」
「ううーーむ」
片やノワイユ、握っていた拳を解いて、腕を組んだ。
「考慮の余地はあるな。というのも、実際、私は明日からリヨンの方へ商談に行かねばならないのだ。探偵が存分に仕事をするためにも、現地の人間が傍についていてくれるというのは何かと便利には違いない」
が、ブルブルと首を振る。
「とはいえ、どこまでおまえを信頼できるというのだ? 素性の知れない人間を我が邸に出入りさせるのは危険極まりない。第一、おまえみたいな手合いはいつ裏切るともかぎらん。私の、私だけの財宝――古文書の秘密をパリ中に暴露されてはかなわんからな」
この場合、ノワイユの心配も尤もだ。
「では、こうしましょう! 僕は人質を進呈します」
「人質?」
「ええ、この絵です。今は亡きロザンタール氏なら10万フランの値をつけるだろう名画中の名画です。これを古文書の謎解明に僕が従事している間、貴方にお預けします。どうです? この上ない〝価値ある〟人質でしょ?」
「フン、そんなガラクタ!
悪罵する当主に動じずメロンは続けた。
「じゃ、さっそく他のフェルメールの横に掲げましょう! 並べて飾ってみれば、一目瞭然。貴方にもこの名画の価値が分かりますよ!」
「待ってくれ、君!」
叫んだのは興梠。声が裏返っている。
「じゃ、その《天文学者》の他に? フェルメールの絵がここ――この邸内にあるというのかい?」
「ありますよ」
あっさりルカ・メロンは頷いた。
「同じくこの僕が以前持ち込んだフェルメール。即座に旧当主・ロザンタール氏が買い取ってくれたソレが……」
「ど、どこに?」
「〈第5談話室〉……別名〈プチサロン〉……またの名は〈オルゴールの小部屋〉に」
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