パパと恋人のはざまで―年の離れた義理の姪を嫁にするまでのお話
登夢
第1話 義理の姪と同居生活をすることになった訳
6月の朝は早い、夜明けは4時半だ。一度目が覚めると、まだ時間があるのにもう眠れない。
5時、久恵ちゃんが部屋のドアを開けるかすかな音がする。起こさないようにとの心配りが分かる。キッチンから朝食の準備の音がかすかに聞こえてくる。心地よい朝だ。
5時半になると起床して身繕いをしてから食事をする。パン、牛乳、チーズ、果物の簡単な朝食だ。これを久恵ちゃんが二人分用意してくれる。
「おはよう」
「おはようございます」
「パパの今日の予定は?」
「今日は記者クラブとの交流会で遅くなります。2次会まで付き合うから午前様になるかもしれません。夕食はパスでお願いします」
「了解」
「久恵ちゃんの予定は?」
「学校の友達と帰りにショッピングに行く予定です」
「お小遣いはあるの。足りなければ遠慮はいらないから。前借りもOKだよ」
「ありがとう、十分あるから」
「東京にはまだ慣れていないから、気を付けてね」
「大丈夫、パパこそ気を付けてね」
僕は
朝早い出勤はラッシュを避けるためと、会社での朝の挨拶が億劫なためだ。もう少しすると早朝でも暑くなって歩くのがいやになるが、今はまだ気温が低い。これまでの二人の生活をあれこれ思い出しながら歩くこの時間が楽しい。
なぜ「パパ」かと言うと、話は半年前まで遡る。去年の12月9日に、兄夫婦が突然の自動車事故で他界した。居眠り運転の車が車線をはみ出して、対向車線を走っていた兄の車に正面衝突した。助手席の義姉は即死で、兄は2日後に死亡した。幸い娘の久恵ちゃんは友人と別行動をしていて無事だった。
午後一番の会議の最中に電話が入り、あわてて新幹線に飛び乗って、およそ4時間かけて雨の金沢に到着した。その時はまだ新幹線が開通していなかったので時間がかかった。
兄にはまだ意識があり「久恵の力になってやってくれ」と頼まれた。久恵ちゃんには「康輔おじさんを頼れ」と言い残した。
兄は父の家電サービス会社を継いで、細々と経営していたが、死亡により経営が破たんした。銀行からの融資残額が4,000万円近くあり、兄の自宅と実家を売却して、これに充てて整理した。仕事で世話になった弁護士さんに頼んで、なんとか借金が残らないように収拾でき、久恵ちゃんにも、当面の生活資金が手元に残った。
兄夫婦は実家の母の面倒も見てくれていたが、これもできなくなり、母には、食事付・介護なしの高齢者専用住宅に入居してもらった。母は気丈で、父の会社の始末は私がつけると兄の名義になっていた実家の売却を承諾した。母には幾ばくかの預金と父の遺族年金があり、今後の生活については特段の問題はなかった。
久恵ちゃんとは7年前、兄の結婚式の時に初めて会った。その時は中学1年生だった。兄は再婚で、義姉はシングルマザーで少し陰のある美しい女性で優しい人だった。兄の会社でパートとして働いていたのが縁で結婚することになった。
兄は実家で母と同居していたが、結婚を機に、近くに中古住宅を購入して、家族3人の生活を始めた。久恵ちゃんは目がクリクリしたはっきりとものを言う活発な女の子だった。
その後は年に1回くらいの帰省時に会う機会があったが、会ったのはせいぜい3、4回だった。会えば、お年玉やお小遣いを渡していた。
久恵ちゃんも20歳になり、随分娘らしくなっていた。事故直後は、目を真っ赤にして憔悴しきっていたが、お葬式を済ませてからは、現実を受け入れて、落ち着きを取り戻していた。
芯のしっかりしている娘だと思った。兄の会社の負債状況と家や財産の状況を説明してから、今後の身の振り方について相談した。
「3月に短大(短期大学部)卒業だよね。就職は決まっているの?」
「公務員試験受けたけど不合格だった。銀行の新規採用に応募したけど不採用で、就職活動中です。3月までに良い就職先が決まらなければ、パパの会社のお手伝いをすることになっていたけど、こういうことになって」
「住む家がなくなるけど、どうする? 就職先も見つかっていないし、東京のおじさんのところへ来ないか? 一部屋空いているから。おじさんは兄貴から久恵ちゃんのことを頼まれているから力になりたいと思っている」
「ありがとう。心配してくれて」
「短大の専攻は?」
「コミュニティー文化学科です。私、お勉強にはあまり向いてなくて、パパには高校までで良いと言ったけど、これからは女の子でも大学まで出ておいた方よいと言われて、それでは迷惑がかかると断ったけど、お嫁に行く時も今では短大くらいは出ていないと相手の両親が気に掛けると説得されて、短期大学部に入ったの」
「久恵ちゃんは何がやりたいの?」
「やりたいことがよく分からないんです」
「何が好きなの?」
「強いて言えば、お料理かな。ママに教えてもらっていたけど。ママは料理が上手で、パパがおいしいおいしいと食べていました。それを見ていたから、私も料理が好きになり上手になりたいと思うようになりました」
「料理か…」
「これからは女の子も自立できなくてはいけないと思う。兄貴も久恵ちゃんが自立できるようにしたかったのだと思う。東京へ来ても短大卒では大きな会社への就職は難しいけど、派遣社員になれば仕事はあると思う」
「それでもいいけど」
「だけど自立するには、何か手に職をつけるとか、資格を持っていないとだめだ。おじさんの提案だけど、好きな料理の勉強をするのはどうかな? 東京へ来たら、調理師の学校へ行ったらいい。調理師免許がとれる。給料は底々だけど、就職口は沢山あると思う。好きなことを仕事にするのが一番よい。好きなら頑張れるし、上手くなる。才能があれば一流にもなれるし、お金は後からついてくる」
「調理師学校か、料理を基礎から勉強したいから行ってみたいです。東京へいきます。お願いします」
思い切りのよい子だ。
「学費はおじさんが出そう」
「そんな迷惑かけられません。少しだけどお金はあるから。住まわせてもらうだけで十分です」
「兄貴との約束を果たすだけだから、気にしないで。おじさんにまかせて」
「でもそれじゃー、愛人になって、そのお手当ということでは?」
「ええ! 驚かすなよ」
「へへ冗談」
「そんなこと二度と口にしないで」
「ごめんなさい」
「だったら、家事をやってもらうということでどうかな? 掃除、洗濯、料理など家事一切をお願いする。生活費はおじさんが負担する」
「家事をすることでいいのなら、そう難しくないし、気が楽なので、それでお願いします。おじちゃんの家計は大丈夫?」
「おじさんはこの年だから妻子を養えるぐらいの給料は貰っている。久恵ちゃんを扶養家族にするから、税金も安くなる。健康保険も大丈夫だから」
「親身になってくれて、何から何までありがとうございます。よろしくお願いします」
「安心していていいから。おじさんは、昔、研究所にいるとき、乾燥剤というあだ名があったくらいだから」
「乾燥剤?」
「人畜無害、でも食べられません!」
「そんなことない、とても素敵です」
それから、兄貴の家と実家の整理や母の引越しのために、何回か帰省した。幸い久恵ちゃんは3月末までは兄貴の家に住むことができて、後片付けをしながら、無事短大を卒業した。
◆ ◆ ◆
3月下旬の土曜日の朝、久恵ちゃんの荷物を引越し屋に託して、昼前には開通したばかりの新幹線で2人東京へ出発した。車内でお弁当を食べて二人はひと眠りすることにした。新幹線ができてから乗り換えがなくなったので安心して眠れる。久恵ちゃんが肩に持たれてくる。
こんなに女っぽくなっていたんだ。兄夫婦の葬式やら家の後片付けでドタバタしていたので、気に掛けなかったが、この髪の匂い、ムラムラする。
安心してと言ったけど、これから一緒に住むのがちょっと心配になってきた。親代わりとして兄貴との約束を果たさなければと考えていたら眠ったみたい。
「着いたよ」
久恵ちゃんに揺り起こされて目が覚めた。夢を見ていた。
東京駅に午後2時52分に到着した。山の手線の五反田駅で池上線に乗り換える。
「『池上線』という歌があるけど知っている?」
「知らない」
「おじさんもここに住んで知ったけど、いい歌だよ」
池上線には縁がある。就職して上京した時の独身寮が、洗足池駅から徒歩で10分ほどのところにあった。今のマンションをその近くに3年前に買ったのも何かの縁かもしれない。洗足池駅から2駅目の雪谷大塚駅で下車した。
会社の独身寮が廃止になり、使うこともなく自然に貯まったお金があったので、老後を考えて見つけた物件だ。会社が低利で購入資金を貸してくれたのと、母親が少し援助してくれた。ローンはあるが僅かで負担になるほどの額ではないし、完済の目途もついている。
もう結婚しそうもないから1LDKでもよかったが、ちょうど売り出していたゆとりのある2LDKにした。これが今回、久恵ちゃんを引き取れた理由でもある。1部屋ゆとりがあった。
大通りから少し入ったところなので、車の騒音はあまり気にならない。大通り沿いだから夜も車の往来が激しく、久恵ちゃんが夜遅く一人で帰っても心配がない。
マンション玄関はオートロック、鍵の入った財布をパネルの突起にかざして、奥のドアを開けると驚いてそれを見ている。エレベータで3階へ昇る。
入口のドアを開けて中に入る。久恵ちゃんが緊張しているのが分かる。短い廊下を抜けて奥へ向かうと、リビングダイニングになる。ソファー、小さめの座卓、リクライニングチェアー、壁側の大型テレビだけでがらんとしている。もう4時少し前だった。
「いらしゃい。ここが我が家です。殺風景だけど、独身の男所帯だから勘弁して」
「素敵なところですね。よろしくお願いします」
荷物を置いてすぐに部屋を案内する。
「お部屋だけど、久恵ちゃんの部屋はカギのかかるこの部屋だ。鍵がかかるといっても、外から十円玉で開けられるけどね」
「おじさんは向かいのこの部屋だ」
「大きい方の部屋を私にですか? 小さな方の部屋で十分です」
「小さめの部屋の方が何でも手が届いて便利だし、落ち着いて眠れると分かったからこれでいいんだ。遠慮しないで使ってほしい。クローゼットが大きいので洋服がたくさん入るから」
「私、家具や洋服は少ないです。小さいときにママと二人、小さなお部屋に住んでいたから荷物は多くありません。パパが買った家も大きくはなかったけど4畳半の勉強部屋がもらえて、とてもうれしかった。こんなテレビに出てくるようなマンションのお部屋に住むのが夢でした。ありがとう。とっても嬉しい」
「久恵ちゃん、神様は人生を皆平等にしてくれているんだ。小さな部屋に住んでいた人には後から大きな部屋に住まわせてくれる。おじさんも小さなときには、風の吹きこむ小さな部屋に兄貴と二人いたんだ。人生悪い時もあれば良い時もある。人生行って来いだ。お父さんとお母さんを同時に亡くしたけどまた良いこともある。今を大切に過ごせばいいんだよ」
「はい、おかげで良いことがありそうな気がします」
「それから、ここがトイレ。反対側が洗面所で中に洗濯機置き場。その奥がお風呂。スイッチを入れるだけでお湯が入って満杯になると知らせてくれるからとっても便利だ」
「すてきなお風呂ですね。私はお風呂が大好きでいくらでも入っていられるの」
「それはよかった。ゆっくり入って」
「お茶をいれます。コンロがありませんが?」
「ガスではなく電磁調理器IH。このマンションはオール電化されている」
「へー」
「独り身でずぼらにはもってこい。その上安全だから」
久恵ちゃんがお茶を入れてくれた。可愛い娘にお茶をいれてもらうのはいい感じだ。部屋も明るくなった気がする。
「明朝、荷物が入るから管理人さんに伝えておこう。それから久恵ちゃんの紹介もしておこう」
二人で今度は階段を下りて、玄関脇の管理人室へ挨拶に行った。
「管理人さん、家族を紹介します。」
「私、妻の久恵です。よろしくお願いします」
「ええ! いやその……」
言いかけてやめた。どうしてとっさにやめたかは自分でも分からなかった。それから、慌てて明日荷物が搬入される時間を伝えて帰ってきた。
「なぜ、妻といった。姪じゃないか。管理人さんは驚いていたぞ」
「名前が川田康輔と川田久恵だから、姪でもよかったんだけど、妻の方が自然でしょ。義理の姪と独身男性が一緒に住むのはおかしいし、娘ならなおさらおかしいでしょう。突然、独り身の男に顔の似てない娘ができたら。やっぱり妻が自然だと思う」
「年の差からかなり無理があると思うけどね」
「それから、呼ぶときだけど、おじちゃんは寅さんみたいでやめたいの。パパと呼んでいい? 呼びやすいから。だって父親代わりなんでしょ」
「まあ、そうだけど、パパか」
パパというと同じ地方出身の同期の友人を思い出す。研究所の行事に東京出身の奥さんが来ていて、パパと呼ぶので、思わず顔を見て吹きだしそうになった。とてもパパという顔付きではなかった。それからはどこかでパパと呼んでいる声を聴くと思わず呼ばれたパパの顔を見てしまう。
「二人だけのときは、パパでいいでしょう」
「他人の前では絶対にだめだ。顔も似てないし、愛人関係と思われてしまうから」
「気にするほどのことではないと思うけど」
「まあ、二人だけの時なら良しとしようか」
そう悪い気もしないし、なぜだか分からないけどそんな気になった。
「疲れてない? ひと休みしたら、まず駅の回りを案内しよう。東京の私鉄沿線の典型的な駅前商店街があって、食べ物屋さんもあるし、スーパーも2軒ある。買い物をして夕食を食べよう」
「いいところだなあ。私、東京に住んでみたかったのでうれしい」
「東京に住むって大変だよ」
「おじさんも金沢から出て来て慣れるのに髄分かかった。今は地方にもほとんどのものあるけど、東京にしかないものが結構ある。休みの日には東京を案内してあげよう」
「慣れるのに時間がかかるかもしれないけど、おじちゃん、いやパパがいるから安心しています」
「明日は学校へ行ってみよう。専攻はフランス料理にしておいたけど、よかったかな? フランス料理は料理の王道だから、物事やるなら王道をいくべし」
「仰せのとおりに! 習ったら家で試してみるね」
「ああ楽しみだ」
外へ出るともう薄暗くなっていた。駅までは裏道を歩いて行った。久恵ちゃんが手を繋いでくる。
この道の方が車も自転車もほとんど通らないので落ち着いて歩ける。大通りの道は自転車が通るのでぶつかりそうになることがある。でも久恵ちゃんには帰りは安全のため必ず大通りの道を歩くように言っておいた。
商店街をざっと歩いてから駅前のファミレスで夕食を食べた。それからスーパーで朝食用の牛乳やパンやフルーツなどを買って帰った。
帰宅後、二人ともシャワーを浴びて、久恵ちゃんは自分の部屋でシーツを換えた僕の布団で、僕はリビングのソファーで就寝した。
どう言う訳か、会社では扶養家族の「姪」ができて、マンションの管理人さんへは「妻」ができて、家の中では父親代わりの「パパ」になった。明日からの若い娘との同居生活はどうなるか、楽しみでもある。おやすみ!
◆ ◆ ◆
次の日の朝、久恵ちゃんの荷物が2トントラックで届いた。ダンボールが10個程と小さなテーブル、プラスチックの衣装箱、机、本棚、テレビ、布団だけだ。少ないと思っていたけど、部屋に運び込んでもやはり少ない。
久恵ちゃんが少し疲れている様子なので「手伝おうか」と聞くと「お願いします」の返事があった。ああいやだ、年頃の娘の持ち物に興味があった。自分ののぞき見趣味に嫌悪を感じつつ、何気なく開封を手伝う。服は若いのにシンプルで地味なものばかりだった。
「服はママと共用にしていたの。体形がほとんど同じで、靴のサイズも同じだったから。お金に余裕がないのが身についていたのね。でも便利だった。だから、これがママの遺品です。着ているとママに守られているような気がします」
「今度の休日、久恵ちゃんの洋服を買いに行こう。おじさんも買いたいから」
「はい」
久恵ちゃんが大事そうに、上半分が鮮やかな赤色の小さいグラスを本棚に飾っていた。
「とってもきれいだね」
「パパが『小さな貴婦人』という名前をつけていたもので、私のイメージにそっくりだからと言って、渡してくれたものなの。アメリカ製の古いものだとかで、光が当たると、とてもきれいなの。それから、このグラス、使ってください。パパの遺品です。パパがウイスキーを入れて飲んでいたものだけど、光が当たるととてもきれいです」
「ありがとう大事にするよ」
小さな赤いグラスをみて、兄が久恵ちゃんを愛しく大切に思っていたのか、分かったような気がした。
◆ ◆ ◆
次週の土日は東京の案内方々、二人で買い物に出かけた。久恵ちゃんには身の回りの小物や洋服、それに化粧品などを買ってあげた。僕は久恵ちゃんが選んでくれた若者向けのシャツとズボンを購入した。
久恵ちゃんは薄化粧で、よく見ると化粧しているのが分かる程度だ。若い子は肌がきれいだから薄化粧がいい。母親がそうだったから自然と薄化粧になったとか。母親の娘への影響は大きいことが分かった。
それから、会社の同じ部の女性に聞いておいた表参道のヘアサロンへ案内した。そして、後に束ねた髪をショートカットにしてもらった。
久恵ちゃんは小顔で目鼻立ちがはっきりしているので似合うと思ったが、そのとおり、可愛くて活発に見える。さすがに表参道のヘアサロンはセンスがいい。
「少しはきれいになった?」
「とってもチャーミングだ」
本当はどきっとするほどきれいになったので見とれた。こんなに可愛いものが手の中にあるのはうれしい。恋人の気分? いや父親の気分? 分からない。
「こんなに買ってもらってありがとう」
「久恵ちゃんは『プリティ・ウーマン』という映画見たことある?」
「テレビで見たわ」
「コールガールが若きやり手の実業家の富豪と知り合い、妻になるというシンデレラストーリー。大ヒットしたけど、あの映画は男の目線で作った男のロマンを描いたもの。素質のある女性を自分好みの理想の女性に育てるという。女性に人気があったけど、男性が見ても共感できる。ジュリア・ロバーツが素晴らしい変身を見せていた。映画に出てくるホテルの支配人が今のおじさんだ。おじさんも久恵ちゃんをもっと素敵な女性に育てたい、素敵な男性が見つかるように」
「ありがとう、期待に沿えるかわからないけど」
久恵ちゃんの答えはすこしそっけなかった。
◆ ◆ ◆
あれから、もう2カ月になる。調理師専門学校にも慣れて、家事も卒なくこなしてくれている。性格も僕と似たところが多いことが分かった。倹約家で、ものを無駄にしない、無駄なものを買わない、ものを大切にする。
また、かなりのきれい好きで、家の中も掃除が行き届き、洗面所、お風呂などもピカピカだ。洗濯も大好きで、油断しているとなんでも洗濯されてしまう。下着も遠慮しないでと、毎日必ず取り換えさせられる。
それから、せっかちなところ。僕もせっかちだけど、それ以上だ。ただ、片付けが苦手のようで、一見片付いてみえるのだが、とんでもないものが引き出しに入っていたりする。
夕食の料理の味付けもなかなかよい。母親譲りの味付けだとか。兄貴はこの母娘と暮らして幸せだったんだろうなと思う。
時々、学校で習った料理が出される。でも、なにより明るい笑顔が可愛い。まるで新婚生活のような気分だ。この年になって、諦めていたのに。今のこんな生活がずっと続くといいなと思う。
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