第8話
「かくれんぼ」
「もういいかい」
「まあだだよ」
見つかりたくなくて息を切らして走って隠れた
扉の向こう
階段の下
カーテンの後ろ
通り過ぎる歓声と遠ざかる足音
「もういいよ」
「もういいよ」
私の声は届いてるかな
膝を抱えてひとりぼっち
いつのまにか影は長くのびて
遠くで鐘の音がする
「もういいよ」
夕焼け空がそう言った
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