人生最大の賭け

 子どもを産む(持つ)ってものすごい賭けだよね。


 まず健康に生まれて来るかどうかわからない。


 生まれても普通の子に育つかはわからない。


 ちゃんと育てたつもりでも子が成人以上の年になって、急に犯罪や迷惑行為を起こして一気に親子共々転落人生を歩むことになってしまうこともあるだろう。レアなケースだが。


 我が子が真人間に育ったかどうかがわかるのは、親世代が高齢になってからだ。いや、死んだ後かもしれない。


 もし金と時間を費やして育てた結果、仕上がりがイマイチな子にできあがったら親はどう思うのだろうか。自分の子育ての能力と掛かった経費を振り返った時、親の目に子はどんなふうに映るのだろうか。


 自分が年老いてから気付く勝ちと負け。いや、成功と失敗。最近この博打の存在を知らない親が増えているように思う。子を産んで頭の中が幸せなお花畑のまま、知らない間に非情な博打に参加させられていることに気付かないのだ。気付いたころには勝手に負けが決まって後悔をしたり、ひどい時には子を責めたりする。成功した場合は博打を知らないまま幸せに一生を終えるのだろう。


 人として何が失敗で成功かはわからない。わからないが、確実にこれは子育て失敗したよね・・・と言いたくなるような人物がいるのは確かだ。ニュースでほぼ毎日目にする。


 こうならないためにはどうすればいいのか。わしは避けられない博打なら少しでも有利に勝ち越せる心構えを持って備えるしかないと思っている。子を育てる側の人間性や社会的立場、家庭内での経済状況、教育方針などを整えておくことが必要だ。


 きっと備えていても負けることはあるだろう。しかし備えておけば負けた時には負けを素直に受け入れることができそうだ。そしてそこから親子で立ち直って生き直せる気がする。なんだかんだで一番大事な部分はここだろう、『負けた時の対処法』これである。


 備えている家族はいざとなったら立ち直れるし不幸な状況を持ち直すこともできるだろう。備えていなければ負けたらそのまま、全てが崩壊するだけだ。


 自信満々で挑んだときほど博打に負けた時のダメージは大きい。博打の場面で自信など持ってはいけないのだ。常に負けを意識して、その後のことを考えておかなければならない。


 子を産んで育てるという、人生最大の賭け。参加するもしないも自由。ただ参加したら最期、一生その賭場(親子関係)から抜け出すことはできない。素晴らしいようでなんだか恐ろしい。

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