心の波が文章を生み出す

 俳句でも小説でも、心の中で波が立たないと刺激がなくて続きが書けなくなりますね。


 心が平和なことは幸せなことだけれど、感情を込めた文章を書こうと思ったら、穏やかな日常に時々ぴりぴりとするようなスパイス的な心の波が必要だと思いました。


 それは記憶に残る喜怒哀楽のことを指すのですが、より心を動かして記憶に残るものというと『怒』『哀』でしょう。この二つは、あらゆる創作関連で強い影響力を持っているように思います。『喜』や『楽』は一時だけのもので、割とすぐに記憶から消えてしまいがちで、大きく心を揺さぶることは少ないのです(私の中では)。


 嫌なことほど記憶に残ります。それが悲しみになり、苦痛へと変わるにつれて誰かに重たい気持ちを伝えたいという衝動へと繋がって行きます。悲しいことは記憶の中にとどめておきたくはないのですが、その嫌な記憶から生み出されるストーリーはいつか誰かの心を揺さぶる何かになるかもしれないと思うと、無駄ではない気がします。


 何を感じながら生きるということは、案外難しいことなのかもしれません。自分から何かしら行動しなければ悲しみにも喜びにも出会えないのだから。


 そろそろ凪いだ大海に浮かんでいるだけの自分に喝を入れなければ。


 

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