孤独から逃げるために

 孤独は凶器だ。


 本人だけではなく、他人までもを傷つける目には見えない凶器なのだ。


 その上、忙しい日々を送る人々はその凶器にジリジリと日々心身を蝕まれていることに気付けないでいる。


 ふとしたきっかけでその状況に気付いたときには心が全身ズタズタに切りつけられて瀕死の状態でいることに愕然とする。

 

 気付いてしまったが最期、髪を掻き毟って奇声を発したくなるほど強烈な見えない拷問に晒される日々が始まるのだ。


 何とかもがいて孤独から逃れようと試みるが、救いの手を差し伸べてくれる存在はなかなか現れない。


 現れないのだ、泣いても喚いても!誰も助けてくれないんだ!


 だから一人ぼっちな人間は泣き疲れて眠るという抵抗しかできない。


 睡眠しか、夢の世界にしか逃げ場はない。


 現実は地獄だ。現実に逃げ場などない。


 あるものは偽りの安らぎだけなのだ。


 


 


 


 

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