風が強い

 自分の洗濯物だけが物干し竿から落ちていて、小さな疎外感を感じた。

 

 何枚も干してある洗濯物の中で、なぜ自分の服だけが落ちるのか・・。


 強い風に負けず、必死にぶら下がっている他の洗濯物の中で諦めたような、力尽きたような感じで地面に落ちていた自分の洗濯物は、やる気を失くした自分の姿みたいで妙にしっくりきていた。


 悔しいけれど、自分そのものだった。


 今日もわしは地べたで動けずにいる。




 

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