終章 いつかまた、この小さな庭で⑭

 由理ゆーり季紗きさが、抱き合って百合キスしてる。


「ちゅっ、んんーっ、むっ。ふぅっ、く……むぅっ♪」


「るちゅっ、ぬぷぅ。む、ふぅっ……♪」


 日曜日の朝、百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」にて。

 乙女同士の柔らか唇を、ピンクの舌が出たり入ったり……。


「じゅぶっ、にゅぷっ♪ にゅぅぅー♪」


 朝から激しい接吻である。

 唾液の糸がとろーんと伸びて、2人はキスの味に溺れる……。


「んっ♪ 由理……もっと♪ もっと、胸、触ってぇ……♪」


 銀糸を垂らしながら、季紗が頬を火照らせた。

 由理も顔を赤くしながら、


「ちゅっ♪ だ、だいじょうぶ? 痛くない?」


 むにゅ。わりと大きな、季紗のお胸を、メイド服越しに揉む。

 キスをしながら。


「ちゅぅっ、んんっ♪ い、いいの。私、痛いのも、好きぃ……♪」


「……朝っぱらから、なに乳繰り合ってるのさ」


 モップの柄にあごをつけながら、美緒奈みおなが睨んできた。


「乳繰りっ、て。ち、違うんだからねこれは!?」


「行為的には完全にそれだけどね! ふふ」


 やっと唇を離す由理たち。


「こ、これは! リズさんの卒業祝い&お別れ会の練習なんだから。リズさんの胸を揉みながらキスする……真面目な練習なんだからねー!?」


 キスの理由を説明するけれど、


「……由理さ。自分で何言ってるか分かってる?」


「言わないで。我ながら、このお店に染まってるなーとは、思うから」


 とにかく理屈をつけては百合キスする……そんな百合メイドに、由理はなれたのです。

 ……本人は、自己嫌悪で落ち込んでるけど。


 でも季紗は瞳をキラキラさせながら。


「でもね! でもやっぱりリズさん、キスのプレゼントがいちばん、喜んでくれると思うの。卒業式から帰ってきたら、いーっぱい百合キスしてあげようよ♪」 


 リズさんの通う高校は、日曜日の今日に卒業式。

 彼女がお店に帰ってきたら、みんなで……卒業祝いと、今までの感謝を込めて、送別会の予定なのだ。


「ほら美緒奈ちゃんも! 私を練習台にしていいから! 私をリズさんと思って、キスして胸触っていいよ♪」


 キスミー! キスミープリーズ!と接吻を求める季紗に、美緒奈はやれやれと肩をすくめながらも、唇を舐めた。


「まっ、あたしも百合キス大好きだし、するけどね♪ ……ちゅぅぅっ♪」


「んーむっ♪ ちゅぱっ、ちゅぱぁっ♪ ぬるっ、るぷぅん……♪」


 赤毛ツインテールの美緒奈と、亜麻色ロングヘアーの季紗が、服の上から胸をさわさわ愛撫して、舌を絡め合う。

 ぴちゃ、ぴちゃと淫靡な水音立てて、甘美な桃色世界を展開……するのを見て、由理もうずうず。


「わ、私だって、まだまだキスの練習するんだから。混ぜなさいよねっ」


 ツンデレ的に髪をかき上げて、キスの輪に加わった。


「……ちゅっ♪ んむぅ、ふ……ちゅぅ、ちゅぅっ♪ ど、どうかしら。リズさん、喜んでくれる、かな?」


「ちゅぅぅっ♪ ふふ、まだまだ。本番はもっと、えっちな百合キスするよ♪ んあぅ♪ だから……もっと、強く揉んでぇ♪」


「季紗ねえのえっちー♪ リズねえはね……強く揉むより、こう触ってあげた方が、喜ぶんだよ♪ ちゅぷぅ♪」


 ……開店前の百合メイド喫茶で、朝から3人、カラダにタッチしながら、ぬぷ、ぬぷ、愛欲百合接吻ベーゼ

 これもすべては、リズさんのため。

 先輩想いの、よく出来たメイド店員です!


「ちゅぅぅうっ♪ んー、むくぅ♪ ぢゅぷぅぅぅ♪」


「はぁ♪ はぁ♪ んんっ、ふぅぅぅぅっ♪」


 ……ただのエロ乙女じゃ、ありませんから!

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