「西城由理」編 終 「由理」

「ちゅぅ……んん、む、ぷちゅぅ、ずぶぅ……♪」


 閉店後の百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」、お風呂の中で。

 今夜は由理ゆーりとリズに、季紗きさ美緒奈みおなも加わって4人、裸で百合キス。


「ちゅっ♪ ふふ、良かった。由理が、このお店に残ってくれて」


 おっきな胸を石鹸でぬるぬるにしながら、由理へ抱き付き擦り付けてくるリズ。

 もちろんキスしながら。


「もうっ、当たり前でしょ。それとも、私がお母さんと群馬に帰るとでも思った?」


 ……ちゅっ。

 由理も、全裸のリズのカラダを石鹸に濡れた手で撫で回しながら、キスのお返し。

 お風呂だから、なにもおかしくない。


「ちゅっ、んん……♪ ぷはぁ♪」


 桃色に火照った裸のカラダで、風呂の腰掛けに座り、指を絡める。

 浴室内だから、ねっぷり唾液が零れても洗うの簡単!


「お母さんへ言った通りだよ。私の居場所は、ここなの。家出の件が解決したって、変わったりしない」


 リズさんと、いっしょがいいの。

 にこっと微笑む由理を、リズさん瞳うるうるさせて押し倒した。


「もうっ、由理大好き♪ ちゅぅん、ずぷちゅぅぅ……♪」


「んむぅ♪ んく、ふ……んんっ♪ だ、だめぇ、リズさんっ。お風呂で、こんな激しいの……っ♪」


 ぬるぬるちゅぱちゅぱしていると、浴槽からロリボディを上げて、美緒奈が加わって来た。

 つるぺたな裸であることは言うまでもない。


「へっへー、由理がこのお店離れられるわけ、ねーけどな♪ 美緒奈様の魅力にメロメロだしぃ?」


 ……ちゅっ♪ くちゅ、ちゅぱぁ♪

 リズといっしょに全裸なカラダを由理の上へ。


 美緒奈とも舌を絡めながら由理、ジト目になってみせて、


「……ホントに、美緒奈が好きで離れられないって言ったら、どうする?」


 ぴちゃん。

 天井からの水滴の音が、すごく大きく聞こえた。


「ふ、ふぇぇぇっ!? ば、ばばばばかばかばか! だ、だまされねーぞ、そんなの!?」


 目を回し真っ赤になってパニックな美緒奈。

 あまりに可愛すぎてキスしたくなる表情に、由理は余裕で小悪魔顔。


「冗談よ。いつもの、お返し♪」


 なんて笑ってみせたら、美緒奈の方は。


「本気でも、いいよ……?」


 恋する乙女の表情で返してきて、結局2人真っ赤になってツンデレ合うのだった。


 そして季紗。

 浴槽に入った由理の背中から、ぴとっと抱き付いて。


「き、季紗……? 胸、当たってるよ……」


 羞じらう由理へ、そっと微笑みながら。

 お湯につかりながら、耳元へ囁くのだった。


「ふふ。これで由理、お義母様とも仲直りして、怖いもの無しだね」


 笑顔に、優しい瞳を浮かべたのは一瞬。

 次の瞬間には百合オオカミに。


「もはやレズ道阻むもの無し! さあ由理、私と2人で、ゆりゆり官能世界の扉をオープンしちゃおっか♪ ……ハァハァ♪ ハァハァ♪」


「ど、どこ触ってんのよー!? んむぅ!? ちゅ、ちゅぷぅぅ!?」


 浴槽内で盛大に湯しぶき上げて。

 裸でキスする乙女達。


「こ、こら2人とも! お風呂の中で暴れちゃダメでしょ!」


「そーだぜ、あたしはべ、ベッドでなら……いいけど♪」


 リズと美緒奈が注意、にぎやかなお風呂。

 ふと、季紗は真剣な瞳で。

 ぽつりと、小声で。


「由理は、すごいね。ちゃんと、素直になれて」


「ん? 季紗、何か言った?」


 季紗は悪戯な笑顔。


「ええ、由理ともっとキスしたいなーって♪ ……ちゅぅ、ちゅぷむぅ♪ るっぷぅ……♪」


「んんむぅ♪ んぐ、ふぅぅ……♪」


 こうして、百合メイド達の夜は更けていく。

 百合キスだらけの、いつもと変わらない日常。そして、かけがえの無い日常。


(素敵だね。好きなものを、好きって叫ぶのって)


 由理は思い出して微笑む。

 つい昨日、継母はは西城さいじょう冬華ふゆかを見送る前に、お風呂で背中を流し合ったのを。


 ※ ※ ※

 

 この「リトル・ガーデン」のお風呂で母と娘、親子水入らず。

「ちょっぴり」ボディタッチ多めでカラダを洗いっこ。


 冬華は言った。


「ねえ、知ってた? 由理ちゃんの名前ね……貴女が産まれた時、薫子かおるこに相談されて、いっしょに考えたのだけれど」


 ぎゅっと、お母さんの温もりで包んでくれながら、


「自由の由に、理はルール。自由なることわり。何にも縛られないで、自分のルールで……好きな道を進める……そんな、強い子になりますようにって。それが、貴女の名前に込められた願い」


 微笑む冬華に、由理の眼には。実母の薫子の顔が、やっと重なって見えた。


「お母さん……」


「その通りの子に、育ってくれたわね。由理、大好きよ……」


 ……ちゅ。


 ※ ※ ※


「自由なる理……かぁ」


 お風呂の中。

 全裸でリズ、季紗、美緒奈と色々、描写できないくらいイチャイチャした後で。


 由理は心に誓う。

 たとえ人とは違っても、百合キス大好きな自分を誇ろうと。

 好きなものを好きといえる自分に、胸を張って行こうと。


「……なんて。シリアスにまとめてみたいんだけど」


 3人に、まだまだキスされてた!


「ちゅ♪ んぶぅ、ずぷぷぅ♪ んん……ちゅっちゅ♪」


「ちゅぅぅ……むぅー、くぷ……ん。んっ、ふぅぅ……」


「ぺろ、んる♪ ふぅ、るちゅぅぅ……♪」


 真っ赤な頬はお風呂にのぼせたせい? それとも……。

 とにかく由理は、叫ぶのだった。


「も、もー!! いくらなんでも、キスし過ぎだってばー!?」


 でも。

 怒ってみせても由理、幸せで頬が緩んでしまうのは……内緒。


《「西城由理」編 終了》

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