第1回 ナターシャ・クニャジェーバは僧侶です
どうも! 世界の英雄ナターシャです!
はじめましてなので、自己紹介しますね。
えっと、5年前まで勇者パーティで回復役をやってたんですが、魔王を倒してからは割とヒマしてます。僧侶のナターシャです。
知らない人は、
第1回ということで、何故私がこの連載を始めることになったのか、そのいきさつから語りましょうかね。
いやー、それにしても『fan-fan』ですよ?
ナンバーワン女性誌『fan-fan』。半年に1回はセックス特集をやる『fan-fan』。
果敢にも、こないだは『エルフ女子とオーク男子のベッドマナー』とかやってましたね。さすがに私、オークの方とはいたしたことないんですが興味深く読ませていただきました。意外と入るんですね。
とにかく、そんな種族を問わずあらゆる女子が読んでいる、読むだけで女子力ステータスがアップする『fan-fan』ですよ! 実家の姉なんて、この連載の話をしたら私が世界救った時よりも興奮してましたよ。
本当、なんで私に連載の話が来たのか謎です……大丈夫なのか、『fan-fan』編集部。
何故私に連載の話が来たかは分かりませんが、私が連載のお話をお受けしたことには、ちゃんと理由があります。
身もフタもない話なんですが、ぶっちゃけ、金です。
「世界を救った勇者パーティの一員なんだから金あるだろ!?」と突っ込んだ方、甘い!!
世の中そんなに甘くないんです!
まあ、確かに冒険が終わった直後は王様から金一封をいただいたり、地元の村で表彰されたり、イケメン金持ち貴族に求婚されたり色々あったんですが……私、僧侶なんですよね。
冒険の時にやんちゃしたからなのか、世間様からは「あれ? ナターシャさんって武闘家じゃなかったっけ?」とかよく言われますけど、私、これでも聖職者ですから!
良い機会なので声を大にして言いたい! ナターシャ・クニャジェーバは僧侶です! 聖職者です! 戦闘時のフォーメーションは後列!
だから酒場で絡んでくる奴、「体術極めてんでしょ? ビール瓶、手刀でちょちょっと開けてくださいよ~ww」って言うのやめろ! ウザい以前にできない!
あと武器屋! 「
あ、話が逸れてますね。
まあね、よく勘違いされますけど、私、僧侶なんですよ。
つまり何が言いたいかというと、僧侶という職業上、私、冒険でいただいたお金をあまり懐に入れることができなかったんですよね。
ほとんど世界僧侶協議会に寄付させられたり……本当、あそこの理事腐ってますから。あいつらに比べたら魔王なんて可愛いもんですよ。
とにかくね、私、世界を救ったことによる金銭的報酬をほとんどいただけてないんです!!
意外でしょ? 勇者パーティなんて、それだけでその後の人生勝ち組だと思うでしょ? ところがどっこい、パーティ内でも職業格差とがあるもんなんです。
例えば、僧侶と賢者じゃ大違いで、賢者はめっちゃ金銭的にツブシがきくんですよね。
実際、勇者パーティの賢者だったウィジェット君なんか、今魔法学校の講師でウハウハらしいですし。あ、ウィジェット君が魔法学校の女の子にちょくちょく手を出しているというゴシップが週刊誌に出てましたが、アイツの性格的に限りなくクロだと思います。
まあ一応、説法っていうんですか? 講演会みたいなやつで細々と食ってはいたんですが(それも僧侶だから表向きには入場料とか取れなくて、『お気持ち』という名目でしかなかったしね……)、さすがに5年も経つとそんな機会も減ってくるわけで。
そんな時に来たのが、この『fan-fan』の連載のお話だったわけです。
そりゃあもう、一も二も無く飛び付きましたよ~!!
しかも結構これが良い契約でして……。具体的な金額は言えないんですが、まあちんたらクエスト受けたり、教会で説法喋ってアーメン言ったりしてんのが馬鹿馬鹿しくなるくらいのね、げへへ。
やっぱり出版広告業界は違いますね! さすが『fan-fan』! よっ! 世界ナンバーワン女性誌! 大好き! 最高! 魔導小学校の頃から読んでました♪ イエイ☆
……今、「♪」とか「☆」とか使ってみたんですが、使い方合ってますか?
普段、まったくこういう記号とか絵文字や顔文字を使わないもので……。事前にカシュウナッツさんの『豆スキ』と、エメ姐さんの『サキュわた婚活』読んで勉強はしてみたんですが、どうでした? だいじょぶ? だいじょばない?
ちなみにカシュウナッツさんでは、カシュカちゃんが一番好きです! 太ももがエロい……。もちろん、アルテちゃんとノルルちゃんもお美しいですよね~。この連載を機会に御三方とお近づきになれないか、なんならコネでライブのチケットとかもらえないか、そんな下心もある聖職者ナターシャです。
でもあの三人の横に並ぶとか、よく考えなくても公開処刑ですね。絶対三人とも私より二回りくらい顔小さいよね、エルフだし。
えっと、何の話だったっけ?
そうだ、この連載をお受けした経緯ですね。えっと、申し上げた通りお金でございます。それが動機の9割です。
それと、基本好きなこと書いていいよって言われたことも大きいですね。打ち合わせの時、編集さんから「世間で言われてる勇者パーティの冒険譚や感動話以外にも、ウラ話とか無いんですか?」って言われて、「NGだろうな~」と思いつつ色々ぶっちゃけたんですが、そういうのも全部オッケーらしくて。
この連載ではそういう知られざる勇者パーティの恥部というか、醜聞みたいなところをね、私の当面の生活費に変えていけたらと思っております。
言ってる間に紙面が尽きましたね(これ一回書いてみたかった!)。
ではまた来週! ナターシャでした!
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