2月12日
食事を作ろうと思って台所に行くと、水道から続けざまに十二個のはまぐりが出てきた。
驚いて見ていると、はまぐりは台所のシンクでひそひそと相談を始める。
はまぐりが口を開くたび、そこから漏れる息が蜃気楼になって、不可思議な風景を映しだした。
しばらくの間、吐き出される蜃気楼の全てにいちいち見とれていたけれど、蜃気楼の一つに豪華な海鮮料理の風景を見た途端、忘れかけていた空腹を思い出す。
私は十二個のはまぐりを使って、酒蒸しとお吸い物を作っておいしく頂いた。
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