10月24日


 露店街で買ったきつねのお面が、思い出したように口をきいた。

「きのこ……」

 そう言って口をつぐみ、じっと見つめてくる。

 私は体から一本きのこを引っこ抜き、皿にのせ、きつねのお面の前に出してあげた。

 きつねのお面は私と皿にのったきのこが「いやー」と言うのを順番に見て、おずおずと言う。

「いえ、別に、そうゆうつもりで言ったわけではないんですが」



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