4月10日


 公園のそばを通ったので、ついでに中をのぞいてみることにした。

 そう大きくもない公園だったけれど、公園の中にはたくさんのこどもがいて、どのこどもも元気いっぱいに遊んでいる。

 ついつい見惚れていると、草むしりをしていたおじさんが1つ持っていくかいと声をかけてくれた。


「最近のこどもはダメだ、なんてよく言われるけどさ、」


 おじさんが呼ぶと、こどもたちはすぐさまおじさんのまわりに集まってくる。どのこどもも、やわらかそうなほっぺたをほころばせて、新鮮そうに、にかにかと笑っていた。


「なにがダメなもんかね、ほれ、こんなに、」


 言いながら腰をかがめ、近くにいたこどもの太ももにぞぶりと歯をたてるおじさん。赤黒いしるが滴って、甘い香りがむっと広がった。こどもたちは相も変わらずにかにかと笑っている。


 食べかけのこどもを渡されたら、やだなぁ。

 私はそんなことを思いひやひやしながら、なるほどと呟いた。

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