第三話【元副大統領】

 俺は……いや私はアメリカ合衆国大統領だ。自分で言うのもなんだが、たいしたものだ。なろうと思ったってそうは簡単になれるもんじゃない。実力に加え運も必要だ。いや、運が一番大事なのかもしれない。ただ私の場合『運だけで大統領になった』と世の中に思われている。アメリカの政治家、つまり議会の連中、それにアメリカのマスコミ、アメリカの国民、ほぼ全てに、だ。


 元大統領に不幸があった。たったそれだけの理由で私は合衆国大統領になれた。そのことをみんなが知っている。

 私はアメリカ合衆国大統領ジョンストンだ。

 ここはホワイトハウス大統領執務室だ。


 そして俺は今サトーと電話で話している。この男が問題の日本国内閣総理大臣だ。

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