長門の裏設定

私は戦艦長門。

世界に名だたるビックセブン。

核爆弾にも耐えた、あの戦艦長門。


だから小さい頃から大人たちは、

私に期待を持ってくれる。

私を誇りに思ってくれる。


だから・・

いつもみんなから嫌われる。

”空母に負けたザコのくせに”

”大人に付け入る卑怯者”


どうだっていい。

そんなこと、どうでもいい。

私は戦艦長門。

ただ強く、強ければそれでいい。


孤独で居るほうが楽だった。

誰にも好かれないほうが楽だった。

高圧的でいるほうが楽だった。


だが、そんな私に友達ができた。

小さくて可愛い女の子。


風が吹いたら倒れてしまいそうな、華奢な体。

私が握ったら折れてしまいそうな細い指。


でも、彼女は私を友達と言ってくれた。

鉄のような私の心を揺り動かした。

暖かくて大きくて、優しい。


この子さえいればいい。

他は何も要らない。

そのはずだったのに。


あの子は私の目の前で死んだ。

交通事故だった。

ただの、何の変哲も無い、運転手不注意。

そう・・ニュースでよく流れる事故。


ただの事故のはずなのに。

どうすることもできなかったはずなのに。

私の心が私を責める。


守る事ができなかった。

目の前で死ぬあの子を守る事ができなかった。

あんなに私を救ったあの子に、何もできなかった。

何も返してあげられなかった。


だから私は、繰り返さない。

あの子のような存在をこの世から消させない。



何をしても、守ってみせる。





そう思っていたはずなのに。

私はいつの間にか・・可愛いものを見ると欲情するようになった。

小さく可愛いものを独占したいこの肌で感じたい。


可愛いものから発するものが全て愛おしい。

どんなに汚いものでも最高の食材に見えてしまう。


あの子の事を思い出し、妄想の中でめちゃくちゃにするだけで・・

私は今にも絶頂してしまいそうになる。


鎮めなければ、他のもので、他の子で、他の可愛いもので。

可愛いものが欲しい。可愛いものと居たい。可愛いもの可愛いもの可愛いもの可愛いもの可愛いもの可愛いもの可愛いもの可愛いもの可愛いもの可愛いもの。


この戦艦長門が?

あの世界に名だたるビックセブンが?

深海棲艦のハラワタのように醜い私が、戦艦長門?


そう、これが本当の私。


今まで隠れていた本当の私。

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